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ドクターからのメッセージ 腰痛治療のポイント

ドクターのご紹介

東北福島県福島市

正しい診断と適切な治療のタイミングを逃さないで

福島県立医科大学附属病院 整形外科
教授
紺野 愼一 (こんの しんいち) 先生

ドクターからのメッセージ

重篤な病気が原因の場合も
ストレスが腰痛を生み出すこともある

腰が痛くて困ったというとき、多くの人はまずマッサージとか鍼灸、整骨医などにかかるようです。疲労に伴う腰痛、放っておいても自然に良くなるような腰痛なら代替医療でもいいのですが、1ヵ月くらい通ってもなかなか良くならない、逆に悪くなっていくような場合は整形外科に行くことを勧めます。腰痛の原因には、稀ですが重篤な病気が隠れている場合があるからです。例えば、骨折、化膿性脊椎炎、内臓由来の病気、慢性膵炎や尿路感染症、尿管結石、腎結石、大腸がん、十二指腸潰瘍、子宮内膜症などでも腰痛が起こります。静かにしていても痛いときは要注意。
ストレスが腰痛を生み出すこともあります。腰には全く異常がないのに痛みが取れないという場合には、食欲不振、寝つきが悪い、ちょっとしたことにイライラするなどのうつ状態であったりし、心理的因子や雇用問題など社会的背景が原因になっている可能性もあるのです。慢性腰痛の20%以上が、そのケースだろうといわれています。

腰部脊柱管狭窄症の症状は足に出る
代表的なのが間欠跛行

高齢社会の中で増えているのが、腰部脊柱管狭窄症(ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう)や腰椎椎間板(ようついついかんばん)ヘルニア。腰部脊柱管狭窄症は、腰痛だけでなく足に症状が出るのが特徴で、いわゆる坐骨神経痛(ざこつしんけいつう)の原因になっています。歳をとると少しずつ骨が変形して、背骨の中にある神経の通り道(脊柱管(せきちゅうかん))がだんだん狭くなってきます。神経が腰のところで圧迫されると、足の痛みやしびれが出るわけです。
最も特徴的な症状が間欠跛行(かんけつはこう)です。じっとしていれば大したことはないけれど、歩くと足の痛みやしびれがひどくなって歩けなくなる、お辞儀をしたりしゃがんだり椅子に座ったりするとラクになって、また歩けるようになる状態です。腰部脊柱管狭窄症の7割くらいの人が間欠跛行を訴えてきます。

スタートは保存的治療、手術の選択もある
腰部脊柱管狭窄症の新たなプロジェクト発足

腰部脊柱管狭窄症の治療法は、まずは保存的な方法から始めるのが原則。プロスタグランジンE1(PGE1)製剤を処方して2ヵ月くらい経過を見ます。この薬の服用だけで痛みやしびれがラクになって、長歩きができるようになる人もたくさんいます。痛みが強い場合には、消炎鎮痛剤を追加したり、痛みの元の近くに麻酔剤を注射するブロック療法を併用することもあります。
排尿障害、両足の裏のしびれが強い、お尻の周りの感覚が鈍っている、歩くとおしりの周りが火照るなどが起こると、保存療法だけでは改善しないこともあります。そんなときには、変形した骨などを削って狭くなっているところを広げる手術で、神経の働きを復活させます。重症になる前に早めに受診、診断することが大事です。
今、腰部脊柱管狭窄症の人が増えているのにもかかわらず、なりやすい人、危険因子などは世界的にもまだ分かっていません。昨年、福島医大整形外科が中心となって、腰部脊柱管狭窄症の危険因子や、日本における有病率を明らかにするためのプロジェクトができました。全国調査も行う予定で、腰部脊柱管狭窄症の予防法や新しい治療法の開発などに役立つだろうと思っています。

病院名および診療科 福島県立医科大学附属病院 整形外科
住所 〒960-1295 福島県福島市光が丘1番地
電話番号 024-547-1111(代表)
医師名 紺野 愼一 (こんの しんいち) 先生
治療責任者 整形外科教授:紺野 愼一(こんの しんいち)
経歴 1984年自治医科大学医学部卒
1995年より 福島県立医大整形外科 勤務