大日本住友製薬
Innovation today, healthier tomorrows

ドクターからのメッセージ 消化管治療のポイント 先生が消化管についてやさしく解説しています。胸やけ、胃もたれ、便秘などそれぞれの症状にあわせてのアドバイスです。

※ 掲載情報は取材当時の内容となりますので予めご了承ください。

ドクターのご紹介

便秘

関東 千葉県 千葉市

上部消化器症状を併発している便秘の治療
~便秘の方、胃もたれや胸やけはありませんか。

医療法人社団幸樹会 おゆみのクリニック 消化器科/千葉大学医学部附属病院光学医療診療部
部長/非常勤講師
尾髙 健夫(おだか たけお)先生

ドクターからのメッセージ

便秘の約半数には胃もたれや胸やけなどが併発

私の臨床経験では、便秘で受診された方の5割以上の方は、胃もたれなどを訴える機能性胃腸症(FD)や胸やけなどを訴える胃食道逆流症(GERD)を併発しています。ですから問診時には胃もたれや胸やけなどの上部消化器症状の有無についても聞くようにしています。

ここで、ひとつの症例をご紹介しましょう。ご高齢の女性患者さんですが、便秘の重症化を主訴に受診されました。

問診の結果、下記のような胸やけ、胃もたれ、呑酸などの症状を有することから、便秘にFD、GERDを併発している可能性が高いと考えられます。

症例


70歳代後半の高齢女性。便秘の重症化を主訴に家族(娘)に付き添われて受診。

<問診結果>
・脳卒中の後、便秘が継続し重症化、下剤の服用量が増えている。
・排便は週に1、2回程度。急な腹痛を伴い、水様性の便が出る。排便後もすっきりしない。
・食事は、食欲がないので1日に1~2回、お茶漬けのようなあっさりしたものを少し食べる程度。
・便秘のほかに胸がジリジリやけるような感じがしたり、食事の後に胃がもたれることがある。げっぷが出たときは口の中が酸っぱくなる。吐き気は無い。

問診で探る便秘の原因

便秘の原因を突き止め、適切な治療を行うには、問診がとても大切です。私は、便秘の患者さんには排便回数だけでなく、便の量、形や固さ、排便時のいきみ、残便感などについて聞くようにしています。以前よりも明らかに排便回数が少ない、便の量が減っているといった場合には、腸の働きが低下していると考えられます。消化管は一本の管ですから、腸の働きが低下しているときは胃の働きも鈍くなっていることがあり、FDやGERDを併発していることが少なくありません。

また、食事の内容や量、食事を1日3回とっているか、適切な運動を行っているかなど、生活習慣について尋ねることも重要です。特に高齢者の場合、排尿の頻度が高くなることを懸念されて、水分をあまり摂らない方がいますが、水分不足になると便が硬くなって便秘の重症化につながりますから、水分摂取状況も確認したほうがよいでしょう。水分摂取量を正確に把握することは難しいので、私は患者さんに1日のお小水の回数を聞いています。1日に2~3回という方は、水分摂取量が少ないと考えられますから、心不全などの疾患がないことを確認したうえで、十分な水分摂取(1日1.5~2ℓ)をすすめています。

胃もたれ・胸やけなどを併発している便秘の治療

先に紹介した症例のように、便秘にFDやGERDといった上部消化器疾患を併発している患者さんには、生活指導を行うとともに、胃酸を抑える酸分泌抑制薬と、消化管の運動を良くする薬を併用投与しています。また、一般的に下剤といわれる薬の中には、大量・長期服用によって、水様便となったり、大腸の蠕動運動の低下や大腸の拡張などを招いて便秘を増悪させ、さらに下剤が増量するという悪循環を招く可能性が考えられます。それを防ぐためにも、きちんとした生活習慣をおくることを前提に、医師と相談しながら薬を服用することが大切です。

さて、先の患者さんの治療結果は良好で、便秘が軽くなり、食欲も改善されました。またトイレ前の腹痛が無くなるとともにトイレ後の爽快感も取り戻されたと聞いています。

メッセージ:便秘の悩みがある方へ

気持ちよく便が出ないと、何となくスッキリしないものです。でも、軽度の便秘ならクヨクヨ気にしたり悩んだりするのはやめましょう。ストレスは便秘の原因であり、より悪化させる要因でもあります。

まず食事・生活面を改善しながら、自分なりの排便のペースを知りましょう。歩くスピード、食べるスピード、本を読むスピード、速い人も遅い人もいて、身体の個性は様々です。決して毎日排便がなくても、自分のペースで排便があれば良いのです。無理に毎日出そうと刺激性下剤を多用連用すると、大腸が弱ってしまいます。

そして以前より便秘が重度になった時、腹痛や膨満感など自覚症状が強くなった時、便秘と下痢が繰り返す時などは、一度病院を受診して診察や必要な検査を受けてください。

病院名および診療科 医療法人社団幸樹会 おゆみのクリニック 消化器科/千葉大学医学部附属病院光学医療診療部
住所 〒266-0032 千葉市緑区おゆみ野中央4-26-4
電話番号 043-292-2511
医師名 尾髙 健夫(おだか たけお)先生
ホームページ http://www.oyumino-c.com/外部リンク
治療責任者 消化器科部長:尾高 健夫(おだか たけお)先生

※ 掲載情報は取材当時の内容となりますので予めご了承ください。