大日本住友製薬
Innovation today, healthier tomorrows

ドクターからのメッセージ パーキンソン病治療のポイント

※ 掲載情報は取材当時の内容となりますので予めご了承ください。

ドクターのご紹介

愛媛県西予市

困っていること、目標にしたいことをお聞かせください それが治療の第一歩です

近藤医院
院長
近藤 文雄(こんどう ふみお)先生

ドクターからのメッセージ

患者さんの生活スタイルや目標に合った治療の提供を第一に

パーキンソン病ではさまざまな症状が現れますが、私がいつも患者さんにお願いしているのは、困っている症状があればできるだけ具体的に伝えてほしいということです。いつ、どこで、どんな症状が出たのか。何に困っていて、どう改善したいのか――。私たちパーキンソン病治療の専門家は、こうした情報を参考にして治療方針を考え、薬の処方を組み立てています。医師が考える良い治療と、患者さんが求めている治療が、いつも同じであるとは限りません。当院では、患者さんの要望などを詳細にお聞きし、患者さんそれぞれの生活スタイルや目標に合った治療を提供したいと考えています。

薬が効きにくい症状には生活上の工夫やリハビリテーションが効果的

パーキンソン病の症状として、振戦(じっとしているときに手や足がふるえる)、無動・寡動(素早く動くことができない、表情が乏しくなるなど)、筋固縮(膝や肩などの筋肉が固くなるなど)、姿勢反射障害(身体のバランスが取りにくく、方向を変えるときなどに転びやすいなど)の運動症状がよく知られています。これらは、最近の薬物治療の進歩により、比較的対処しやすい症状になっています。一方、今なお治療に手を焼くのが、足が地面に貼り付いたようになって最初の一歩が踏み出しにくいすくみ足や、首下がり、腰曲がり、身体が斜めに傾く(ピサ症状)といった姿勢異常です。これらのなかには、薬の量を増やすとかえって症状が悪化するものもあり、専門家もしばしば対応に難渋します。

すくみ足は、狭いところや曲がり角、手すり付近、暗い場所で起こりやすく、病状を改善できなくとも、環境を改善することで、日常生活が楽しくなることもあります。例えば、室内の家具の配置を変えたり、壁紙やじゅうたんを変える事で、すくみ足を起こしやすい状況を減らすことが可能である場合があります。リズム感が障害されていることによってすくみ足が生じているのであれば、膝を高く持ち上げて歩く「膝上げ歩行」も効果的です。また、すくみ足への対策としては、とにかく屋外に出て、危険の少ない広い場所で介護・リハビリスタッフのサポートを得ながら歩くことをお勧めしており、スタッフへもそうしたリハビリテーションに力を入れるよう指導しています。長い距離を歩くことによって、足がすくんで歩けない自分のイメージを払拭することができると同時に、筋力増強にもつながる効果が期待できます。

食べ物がのみ込みにくくなる嚥下障害や、自律神経障害による低血圧がみられることも

そのほかの症状として、食べ物がのみ込みにくくなる嚥下障害がみられることがあります。食べ物が気管に入ってしまうと肺炎を引き起こすおそれがありますし、食事量の減少による体重低下も、肺炎を起こりやすくさせると考えられています。体重減少・やせは、さまざまな悪い影響を及ぼしますので、特に70代後半以降の患者さんでは、体重を落とさないよう、しっかりと食事をとることが重要です。

さらに、パーキンソン病では自律神経が障害されることによって生じる低血圧の心配もあります。高血圧の治療のために降圧薬を服用している患者さんもいますが、パーキンソン病患者さんは血圧の変動(上がり・下がり)が大きくなっていますので、血圧を下げすぎてしまわないよう、常に配慮するようにしています。

いつもと変わらない日常生活を全力で応援します

パーキンソン病の治療は、近年さまざまな種類の薬が登場し、大きく進歩しました。治療開始から10年程度で現れることが多いウェアリング・オフ(L-ドパ合剤を長期間服用していると、時間の経過に伴い薬が効いている時間が短縮し、調子の良いときと悪いときの差が大きくなる現象)という運動合併症に対しても、補助薬と呼ばれる薬を基本薬に組み合わせることで改善が期待できるようになりました。パーキンソン病治療薬のなかには、眠気をもたらす可能性から、自動車の運転が制限されるものもありますが、治療開始後も運転を続けたいのであれば、その意向を主治医に伝えるようにしてください。できる限り患者さんのご希望に添い、生活スタイルに合った治療薬を選択するようにしています。

パーキンソン病の治療を進めるなかで、対処が難しい症状が出てくること、生活上の不都合が生じることは、たしかにあります。しかし、私たちはさまざまな治療手段を駆使して、いつもと変わらない患者さんの日常生活を全力で応援します。

日常生活をあきらめないために、パーキンソン病で困っている症状があれば、くり返しになりますが、症状が出た時間帯や状況、また、症状をどのように改善し、どのような生活を目指したいのかについて、積極的に主治医にお伝えください。パーキンソン病の治療は幸い、患者さんごとにきめ細かくコーディネートすることができます。パーキンソン病患者さんの平均寿命は、今では健康な人の平均寿命とほとんど変わらなくなっています。毎日を楽しんで、前向きに過ごしていただきたいと願っています。

病院名および診療科 近藤医院
住所 〒797-0015 愛媛県西予市宇和町卯之町1-376-2
電話番号 0894-62-2311
医師名 近藤 文雄(こんどう ふみお)先生

※ 掲載情報は取材当時の内容となりますので予めご了承ください。