大日本住友製薬
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ドクターからのメッセージ パーキンソン病治療のポイント

※ 掲載情報は取材当時の内容となりますので予めご了承ください。

ドクターのご紹介

秋田県横手市

ちょっとした症状の変化に一喜一憂することなく「焦らず、気長に」を心がけて

福嶋内科医院
院長
福嶋 隆三(ふくしま りゅうぞう)先生

ドクターからのメッセージ

「年のせい」と片づけないで

当院には、横手市・湯沢市にお住まいの方を中心に200人近いパーキンソン病患者さんが通院されています。ですが、医療機関で適切な治療を受けることができていないパーキンソン病患者さんは、まだ大勢おられると考えられます。

その理由の1つは高齢化です。パーキンソン病は、高齢になるほど発症の危険性が高くなる病気ですが、秋田県は65歳以上の高齢者の割合を示す高齢化率が32.6%(2014年現在)※と、全国的で最も高齢化が進んでいる県です。一方で県内の神経内科専門医の数は少なく、横手市周辺地域では特に少ない状況にあります。(※平成28年版高齢社会白書より)

また、動作の遅さ(動作緩慢)をはじめとするパーキンソン病の典型的な症状を、ご本人もご家族も「年のせい」と片付けてしまい、見過ごされていることも少なくないようです。

さらに、神経内科を心療内科や精神科と誤解され、その役割を知らない方が多いのが現状です。パーキンソン病という病気そのもの、ならびに診療の受け皿となる神経内科の役割についてもっと啓発し、早期発見・早期治療につなげていかなければならないと感じています。

長期にわたって症状のコントロールが可能な病気

パーキンソン病の典型的な症状には、動作の遅さのほか、手や足のふるえ(振戦)、筋肉のこわばり(筋固縮)、身体のバランスを保ちにくく転びやすい(姿勢反射障害)、などがあります。「パーキンソン病=手や足のふるえ」というイメージをお持ちの方が多いため、ふるえが目立つタイプであれば発見につながることが多いのですが、そのほかの症状は見過ごされがちです。早期発見には、ご家族など周囲の方による見守りと気づきも重要です。

パーキンソン病は進行性の病気です。難病に指定されていることもあり、病名を告げられると悲観的になってしまって将来に大きな不安を感じるかもしれません。しかし、パーキンソン病は他の神経変性疾患に比べて治療選択肢が多く、対症療法により長期にわたって症状のコントロールが可能な病気です。残念ながら根治は難しいのですが、みなさんがよく知っておられる高血圧や糖尿病も、対症療法として薬でコントロールしているという意味では同じなのです。若い患者さんであればなおさら将来に不安を感じるでしょうが、若年で発症した場合は病気の進行が遅いという傾向があります。こうした点をご理解いただき、治療に前向きに臨んでいただきたいと思います。

治療薬は患者さんのご要望や状態に合わせて調整

薬物治療の中心はL-ドパ合剤です。症状改善に効果を発揮する半面、長期にわたって使い続けると1日のなかで症状の変動が大きくなるウェアリング・オフ現象や、身体が勝手に動いてしまうジスキネジアという症状を招きやすくなります。そのため、ドパミン受容体作動薬やその他補助薬をうまく組み合わせて治療を進めていきます。比較的若い患者さんの場合は将来の使用に備えてL-ドパ合剤の量を控えめにしますが、仕事や家事のために症状改善を優先したい方には積極的に投与するなど、患者さんの状態やご要望に合わせて調整します。

脳に電極を挿入し、胸の皮下に埋め込んだ装置から刺激を送る脳深部刺激療法(deep brain stimulation;DBS)という治療選択肢もあります。手術が必要ですが、術後は薬だけの治療よりも症状がコントロールしやすくなる場合があります。

リハビリテーションには発症初期から取り組んで

薬物治療と並び、欠かすことができないのがリハビリテーションです。発症初期から取り組むことで症状の進行を抑えることが期待できます。当院では、自力でできる運動メニューを、冊子を使って紹介しています。専門施設や訪問リハビリで理学療法士の指導を受けるのもよいですが、自力でできるうちは日常生活のなかで無理のないように積極的に身体を動かしましょう。ただし、転倒には十分注意し、屋内での歩行練習はできるだけ広い場所で行ってください。一歩目が踏み出せない「すくみ足」の症状がある場合は、踏み出しの目印となるテープを床に貼ると効果的です。

パーキンソン病は、季節の変わり目や寒さが増すころに一時的に症状が悪化することがあります。しかし、これは病気が進行したためではなく、一時的なものです。また、実際は症状が改善しているのに、患者さん本人は不調を訴えるということがしばしばあります。気持ちが大きく影響する病気ですので、ちょっとした症状の変化に一喜一憂することなく「焦らず、気長に」を心掛けてください。何か不安があったら、いつでも私たちにご相談くださればと思います。

病院名および診療科 福嶋内科医院
住所 〒013-0027 秋田県横手市平城町3-34
電話番号 0182-33-9311
医師名 福嶋 隆三(ふくしま りゅうぞう)先生
ホームページ http://yokote-ishikai.sakura.ne.jp/02_hospital/h038_fukushima.html外部リンク

※ 掲載情報は取材当時の内容となりますので予めご了承ください。