大日本住友製薬
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ドクターからのメッセージ パーキンソン病治療のポイント

※ 掲載情報は取材当時の内容となりますので予めご了承ください。

ドクターのご紹介

大阪府泉大津市

運動症状だけでなく、全身のさまざまな症状にも目を配った治療と管理が大切です

川端医院 内科・神経内科
院長
川端 徹(かわばた とおる)先生

ドクターからのメッセージ

患者さんの全身を診察し、一人ひとりに合わせたオーダーメイド医療を実践

当院では、高血圧や糖尿病などの生活習慣病を中心とする一般内科の患者さんとともに、パーキンソン病を含む神経内科の患者さんを診療しています。当院に通院されているパーキンソン病患者さんは約120人で、患者さん全体の約1割を占めています。

パーキンソン病の症状は、手のふるえ(振戦)や筋肉のこわばり(筋固縮)、動きづらさ(寡動・無動)、歩行障害や姿勢反射障害といった運動症状だけでなく、嗅覚の異常、便秘、胃腸障害、起立性低血圧(立ちくらみ)、発汗異常、不安やうつ症状など、実にさまざまです。そのため、頭の天辺から足の爪先まで、全身的な治療と管理が大切です。

当院ではパーキンソン病だけでなく合併症も含めた全身の状態を診察し、お仕事や家族構成などを考えながら一人ひとりに合わせたオーダーメイド医療を行っています。高血圧などの生活習慣病を治療中の患者さんであれば、処方されている薬との相性を考えてパーキンソン病の薬を調節することもあります。また、高齢で通院が困難な患者さんのための在宅訪問診療も行っています。

ていねいな問診・観察で手がかりを集め、症状の原因を突き止めます

患者さんが神経内科を受診するきっかけは手のふるえが多く、他に「細かな作業がしづらくなった」、「腕がしびれる(本来の“痺れ”ではないが、腕が動かしにくいことを「しびれる」と表現する患者さんがいます)」、「歩き方がぎこちなくなった」などの訴えが多くみられます。患者さんご本人が気づかれていない症状をご家族が見つけることもあります。

しかし、この様な症状全てがパーキンソン病によるものではなく、他の病気で服用している薬の影響でパーキンソン病の様な症状が出る場合があります。また、パーキンソン病に似た症状が現れるその他の神経変性疾患が原因である場合もあり、問診や検査によって、パーキンソン病が原因なのか、他の原因があるのかを見極める必要があります。

そのためには、ご本人やご家族から現在の症状やこれまでの経過を詳しく伺うことが大切です。手のふるえや筋肉のこわばり以外にも、便秘や睡眠障害などで困っていないかを伺います。また、診察室内を実際に歩いていただき、歩行の様子や姿勢を観察して診断の手がかりにします。

さらに、現在服用している薬についても伺います。「胃薬」や「むかつき止め」として服用している薬や、精神科・心療内科などで処方される向精神薬がパーキンソン病に似た症状を引き起こしていることがあるためです。薬の影響によるパーキンソン症状は、原因となっている薬を中止すれば1~2カ月で治まります。しかし、なかには実際にパーキンソン病が潜在しており、薬の影響で症状が増強されているケースもあります。薬を中止しても症状が消えない、あるいは一度は消失しても半年から1年で再発する場合は、パーキンソン病が疑われます。薬剤性の症状なのか、本当にパーキンソン病か否かを見極めるためには、経過をていねいに観察することが大切です。

症状や生活状況に合わせて治療薬を調節

パーキンソン病は脳内のドパミン分泌量や作用低下により症状が現れますので、ドパミンを補充するL-ドパ合剤が治療の中心となります。しかし、L-ドパ合剤を長期間使用するとウェアリング・オフ現象(薬の効果発現時間が短くなる現象)などが問題となることがあります。そのため、比較的若い患者さんに対してはL-ドパ合剤の投与量をできるだけ少なくし、脳内のドパミンの働きを助けるドパミン受容体作動薬を中心に使用します。

当院では、若い方や症状の軽い方以外は、L-ドパ合剤で治療を開始します。最初にL-ドパ合剤の効果を実感することは患者さん自身の安心に繋がり、治療意欲が湧いてくるという側面があります。そして、症状の改善が見られた段階で補助薬を加え、L-ドパ合剤は逆に少し減らします。補助薬は、患者さんの症状と生活状況を踏まえて選択します。高齢の方で精神状態に対する薬の影響が懸念される場合はL-ドパ合剤単剤で治療を続けるか、精神状態に対する副作用の少ない補助薬を選びます。

数年が経過してウェアリング・オフ現象が生じる時期には、L-ドパ合剤の1日服用回数を増やしたり(分割投与)、1日1回服用で長時間効果が持続する薬を併用します。1日の症状変動を抑えることができる補助薬を使用することもあります。また、この時期には患者さんに1日の症状の変化を記録していただく「症状日誌」が有用です。「症状日誌」を活用すると薬の効果を医師が把握でき、患者さんが転倒を起こしやすい時間帯などをご家族が知ることにも繋がります。

薬物治療とリハビリテーションで日常生活動作の維持をめざしましょう

日常的に身体を動かすことや、リハビリテーションも大切です。特に高齢の方では、ロコモティブ症候群(運動器が衰えたり、障害を起こしたりすることで要介護になるリスクが高まる状態)を防ぐためにも、可能な範囲で身体を動かすことが推奨されます。リハビリテーションを励行していると日常生活動作が低下しにくくなりますし、パーキンソン病の進行を遅らせることも期待できます。運動は、姿勢異常(前屈みや横に傾く)や首下がりなど、薬だけでは改善しにくい症状に対しても効果的です。リハビリテーションに前向きな患者さんには専門病院を紹介しており、入院による集中的なリハビリテーションによって症状がよくなった方も少なくありません。

難病と言われているパーキンソン病ですが、現在では有効な治療薬が豊富にあります。薬物治療とリハビリテーションを組み合わせることにより日常生活動作を維持できますので、前向きに、ご家族や医療従事者と協力し合いながら生活していくことが大切です。私たちも、その一助になりたいと考えています

病院名および診療科 川端医院 内科・神経内科
住所 〒595-0041 大阪府泉大津市戎町5-9
電話番号 0725-32-2580
医師名 川端 徹(かわばた とおる)先生
ホームページ http://website2.infomity.net/8760000035/外部リンク

※ 掲載情報は取材当時の内容となりますので予めご了承ください。