大日本住友製薬
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ドクターからのメッセージ パーキンソン病治療のポイント

※ 掲載情報は取材当時の内容となりますので予めご了承ください。

ドクターのご紹介

東京都西東京市

患者さん・ご家族双方の心身の状態を良好に保つことをめざしています

みわ内科クリニック
院長
三輪 隆子(みわ たかこ)先生

ドクターからのメッセージ

クリニック通信「はなみずき」を毎月発行

西東京市の保谷駅から徒歩1分の地にクリニックを開業して、2017年1月で丸10年が経ちました。当クリニックでは、生活習慣病などにより一般内科を受診される患者さんとともに、パーキンソン病や認知症などの神経疾患でお悩みの患者さんを数多く診療しています。

開業時から毎月、「はなみずき」というクリニック通信を発行しています。認知症や脳梗塞などのくわしい解説のほか、感染症や熱中症といった季節ごとに気をつけていただきたい病気のこと、スタッフのひとことなど、普段の診察ではお伝えしきれない情報をたくさん掲載しており、患者さん・ご家族と私たちをつなぐコミュニケーション・ツールとしても役立てています。当クリニックのホームページでは、どなたでも閲覧可能なPDF版を公開していますので、ぜひご覧ください。

まずはパーキンソン病について知っていただくことが大切です

パーキンソン病と診断されることは、患者さんにとって大変不安なことです。私は、診断が確定的になる前からじっくりお話をして、パーキンソン病がどのような病気であるのかを知っていただくよう努めています。不安ばかりが大きいと患者さんは閉じこもりがちになりますし、そうした状況で治療を始めても、その効果を十分に引き出すことができません。パーキンソン病は、薬による治療で症状の改善が期待できることや、リハビリテーションが大切であること、そして何か不安をお感じであればいつでも相談していただきたいということをお伝えしています。

比較的若い患者さんの場合は、ご希望を伺ったうえで大きな病院を紹介することもあります。これからの長い人生に関わることですので、病院で各種の検査を受けていただき、診断に納得したうえで病気に向き合っていただきたいと考えているためです。

ご家族への説明もしっかり行います。どのような症状が出るのか、どう対応すればよいのかを知っていただくことが、患者さんご本人のためだけでなくご家族のためにもなります。

手足のふるえなどの運動症状だけでなく、便秘やめまいなどの非運動症状を伴うことも

パーキンソン病の症状としては手または足のふるえ(振戦)が最も多く、動作が遅くなる、歩行が小刻みになる、転びやすくなる、といった症状も多くみられます。洗髪のときに手が動かしにくい、書き文字が小さくなる、といった症状が発見につながることもあります。こうした運動症状以外に、便秘やめまい、嗅覚の異常、夜中に寝ぼけたり大声を出したりする、疲労感、しびれ、痛みなどの非運動症状を伴う場合もあります。

パーキンソン病を診断する際には、問診でこうした症状をお聞きしたうえで、神経学的所見(安静時・動作時のふるえ、筋肉の固縮、歩行の状態など)を確認します。また、必ずMRI検査で他の疾患が原因である可能性を除外し、必要に応じて他の画像検査も行います。

ご家族の心身への影響も考慮して薬を調節

パーキンソン病治療薬の基本は、脳内のドパミンを補うL-ドパ合剤と、ドパミンと同様に働くドパミン受容体作動薬です。症状が強い方や高齢の方には、早めに症状を改善させるためにL-ドパ合剤を選択します。L-ドパ合剤は長期に使用するとウェアリング・オフという現象(薬の効果が出にくくなる現象)が生じてきますので、比較的若い方にはまずドパミン受容体作動薬を選択し、L-ドパ合剤を将来に温存します。L-ドパ合剤から治療を開始した場合も、症状が落ち着いてきた段階で投与量を減らし、代わりに他の薬剤を併用するなどの工夫により、ウェアリング・オフが生じるまでの期間を延ばすようにしています。

パーキンソン病が進行すると、症状に応じた薬の選択や量の調節だけでなく、用いる個々の薬の副作用がご家族に及ぼす影響を考えることも重要となります。ご家族の心身のバランスが崩れ、どちらかの負担が過重になると患者さんの状態にも悪い影響を及ぼすためです。たとえば幻覚の副作用が現れる薬がありますが、幻覚が軽度であるうちは、薬によって身体を動かすことができているというメリットの方を重視して薬を継続する場合があります。しかし、認知症を伴う患者さんでは、幻覚をきっかけとして生じた妄想がご家族に多大な精神的負担をもたらすことがありますので、そうした場合は、介護による身体的負担が増すとしても、幻覚の原因となっている薬を中止しなければならないと判断します。患者さん・ご家族双方の心身の状態を良好に保つことをめざして治療を考えることが大切なのです。

玄関の段差に注意 外出中だけでなく、家の中でも転倒に気をつけて

日常生活では、健常な方と同じように生活習慣病や感染症の予防に努めてください。他の病気で入院すると、パーキンソン病の症状も悪化してしまうことがあります。また、食事中の誤嚥(食物などが気管に入ってしまうこと)が肺炎の発症につながることもありますので、病気が進行して口の周りの筋肉の動きが悪くなっている方や高齢の方では、食べやすい形・大きさに調理された食事をとるようにするなどの工夫が必要です。

転倒にも気をつけましょう。帰宅してほっとした際に玄関の段差でつまずいてしまったというケースをよく耳にします。また、椅子に座ろうとした瞬間に転倒してしまうケースも多いようです。転倒は、移動したり、立ち上がったり座ったりという動作の最後に起きることが多いため、周囲の方々は特に注意深く見守るようにしていただきたいと思います。

また、薬は医師から指示されたタイミングで服用するようにしてください。L-ドパ合剤は、食前に服用した場合と食後に服用した場合とで効果の現れ方が大きく異なります。パーキンソン病の治療においては、医師の指示に従って薬をのみ続けることが特に大切です。

■旅行やスポーツなど、楽しいと思える活動を続けてください
パーキンソン病は、有効な治療法がある疾患です。専門医による治療を受けたうえで、リハビリテーションにも励んでください。運動は脳内のドパミン分泌を促すといわれており、パーキンソン病の症状にもよい影響を及ぼすことが期待できます。また、ドパミンは意欲的な気持ちになったときに分泌されるともいわれていますので、旅行やスポーツなど、ご自身が楽しいと思える活動も、安全に気をつけながら続けてください。

病院名および診療科 みわ内科クリニック
住所 〒202-0004 東京都西東京市下保谷4-12-2 メゾン泉1F
電話番号 042-438-7188
医師名 三輪 隆子(みわ たかこ)先生
ホームページ http://www.miwaclinic.net/外部リンク

※ 掲載情報は取材当時の内容となりますので予めご了承ください。