大日本住友製薬
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ドクターからのメッセージ パーキンソン病治療のポイント

※ 掲載情報は取材当時の内容となりますので予めご了承ください。

ドクターのご紹介

大阪府吹田市

患者さんに少しでも豊かな生活を送っていただけるよう、お手伝いします

医療法人 なかむら内科
中村 雅一(なかむら まさいち)先生

ドクターからのメッセージ

患者さん全体を診療するために

当院は、循環器内科と神経内科を標榜しています。この組み合わせに疑問を持つ方もおられるかもしれません。私はもともと循環器内科医として出発し、脳卒中の診療を専門としてきました。脳卒中をひとたび発症すると、治療後も神経症状に悩まされることが少なくありません。脳卒中後の患者さんを診療するなかで、神経疾患についても学ぶ必要性を強く感じました。

循環器内科医として約14年の経験を積んだ後、大阪大学に新設された神経内科学教室で神経内科学を学び、神経疾患を診療する機会に恵まれ、そこで神経疾患の奥深さに触れました。なかでも治療の進歩が速く、「治療法がある神経疾患」として注目されていたパーキンソン病に関心をもち、私の診療テーマの1つとしました。

神経内科医として診療を重ねるうえで気づいたことは、神経内科を受診する患者さんは神経疾患だけではなく、高血圧や糖尿病、脂質異常症のような生活習慣病を始め、さまざまな病気を合併されている方が多いことです。しかし、高度に専門化されている大学病院や総合病院では、神経疾患と生活習慣病の両方を診療することは、残念ながら難しいです。今までの経験を活かし、1つの病気だけでなく患者さん全体を診療したい――当院を開設した背景には、このような思いがありました。

パーキンソン病患者さんのかかりつけ医として

現在、当院には約80人のパーキンソン病患者さんが通院されています。パーキンソン病は、手がふるえる、身体の動きが鈍い、歩きづらいなどの運動症状と、うつ症状や便秘などの非運動症状が現れる病気です。

そのため、患者さんが日常生活で何に困っているのか、何を改善したいのか聴き取り、それらを解決するためにどのようなお手伝いができるのかを考えながら診療しています。「こんなことを訊いたら怒られるのではないか?」と思わず、身の回りのこと、身体のことを何でもご相談ください。「パーキンソン病患者さんのかかりつけ医」として患者さんに接します。また、専門内のことであればわかりやすく説明し、専門外のことであれば対応できる施設をご紹介します。

さまざまな病気で多くの医療機関を受診している患者さんにお役立ていただくため、当院で独自に作った「私のカルテ」という記録帳をお渡ししています。いつ、どんな病気で、どの医療機関を受診し、どのような検査・治療を受けたのか記録していただくものです。このような情報は、当院で今後の治療を考える際に参考になりますし、他の施設で適切な処置を受ける際に役立ちます。この「私のカルテ」も、1つの病気だけを診るのではなく、患者さんの健康すべてを支えたいという私の思いから生まれたものです。

神経内科医はシャーロック・ホームズ――わずかな所見を診断の手がかりに

神経疾患は、患者さんの動作が診断の手がかりになることがあります。たとえばパーキンソン病の場合、患者さんが診察室に入ってこられるときの歩き方や、椅子に座るときの仕草に、特徴的な動作が含まれることがあります。また、左右差のある手のふるえ、顔のこわばり、まばたきの様子なども診断の手がかりになりますので、見逃すことのないよう努めています。このように、神経内科医がわずかな手がかりから診断にたどり着く様子は、さながら名探偵シャーロック・ホームズのようだと、私はよく感じています。

薬の効果を実感していただくことを重視

パーキンソン病治療の中心はL-ドパ合剤です。投与上の工夫として、初期にはできるだけ低用量のL-ドパ合剤を、1日2回、朝と夕方の15時ごろに服用していただきます。この服用の後では、午前中から昼の時間帯と夕食の時間帯に薬の効果を実感でき、日中を活動的に過ごすことや、夕食を楽しむことができます。薬の効果を実感すると、「効く薬があるんだ」という希望がわいてきますし、患者さんと医師との信頼関係構築にも繋がります。

L-ドパ合剤を長期間服用していると、ウェアリング・オフという効果が弱くなる、効果のある時間帯が短くなる現象が起こります。患者さんから「効きが悪くなってきたので、薬を増やしてもらえませんか?」と言われると速やかに対処できますが、ご自身では気付かれていない場合も少なくありません。ウェアリング・オフを見過ごさないように、私は折に触れて患者さんに「薬の効きはどうですか?」とお尋ねしています。ウェアリング・オフが現れ、生活に影響を及ぼしていることが確認できた場合は、ドパミン受容体作動薬や補助薬と呼ばれる薬を追加して対処します。

日常生活で行う動作そのものがリハビリテーション

リハビリテーションも大切ですが、脳卒中後の患者さんのためのリハビリテーションとパーキンソン病患者さんのためのリハビリテーションは異なることに注意が必要です。脳卒中後の患者さんでは、ある1つの動作をくり返し訓練することがありますが、パーキンソン病患者さんに有効なリハビリテーションは、複数の動作を組み合わせたものです。たとえば立ったり座ったりしながら物を取る、会話をしながら歩く。このような日常生活で行う動作そのものがリハビリテーションとなります。また、リズム感が失われますので、音楽に合わせて身体を揺らす、手拍子をする、歌う、歩くことも効果的です。

外に出ても家にこもっても、同じ1日――楽しく暮らしましょう

パーキンソン病は、数ある神経疾患のなかでも最も治療法の開発が進んでいる病気の1つです。長いおつきあいになりますが、病気とともに暮らしていくことを一緒に考えていきましょう。外に出て活動的に過ごしても悩んで家にこもっても、同じ1日です。できるだけ楽しく暮らすように心がけていただきたいと思います。患者さんに少しでも豊かな生活を送っていただけるよう、私も精一杯お手伝いいたします。

病院名および診療科 医療法人 なかむら内科
住所 〒565-0874 大阪府吹田市古江台4-2-60 千里ノルテビル305
電話番号 06-6873-7751
医師名 中村 雅一(なかむら まさいち)先生
ホームページ http://www.nakamura-naika.com/外部リンク

※ 掲載情報は取材当時の内容となりますので予めご了承ください。