大日本住友製薬
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ドクターからのメッセージ パーキンソン病治療のポイント

※ 掲載情報は取材当時の内容となりますので予めご了承ください。

ドクターのご紹介

茨城県土浦市

きめ細やかな医療・ケアの提供により、患者さんの生活の質の維持・向上をめざしています

サンルーナ小寺内科クリニック
院長
小寺 実(こてら みのる)先生

ドクターからのメッセージ

医療福祉施設との連携のもと、多方面から患者さんをサポート

近隣にある土浦協同病院神経内科で30年にわたり臨床に携わったのち、2016年10月に当クリニックを開業しました。長年私が診ている患者さんのなかで通院が可能な方の一部を当クリニックで診療したり、介護施設におられる患者さんを往診したりしています。経過中に入院治療が必要になった場合は、私が信頼している後輩たちがいる土浦協同病院と連携して対応することも可能です。

当クリニックは今川医療福祉グループが運営する医療福祉施設「サンルーナ」の関連施設であり、同じ敷地内にデイサービスやショートステイ、リハビリテーションを提供する施設があります。私は、歩行困難になった患者さんを長年診療してきた経験がありますので、将来的には、筋萎縮性側索硬化症(ALS)のために歩行困難となり、人工呼吸器を必要とするような状態の患者さんであっても入居可能な住宅サービスを実現したいという目標を持っています。当クリニックを開業した背景には、往診をはじめとするきめ細かな医療・ケアの提供を通じて、神経難病の患者さんのQOL(生活の質)を少しでも高く維持したいという思いがありました。

すくみ足や転倒などの歩行障害は、高齢のパーキンソン病患者さんの生活に大きな影響を及ぼします。サンルーナには要支援1・2あるいは要介護1の方が多く通われており、グループ内の専門スタッフの指導のもと、さまざまな活動を行っています。パーキンソン病の患者さんもこうした活動に参加していただくことで、筋肉や関節を動かさないことにより生じる機能低下(廃用性萎縮)を防いだり、憂うつな気分を解消したりすることが期待できます。

「手がふるえる」「歩くのが遅い」といった症状がみられたら神経内科医に相談を

パーキンソン病の症状のなかで、患者さんご本人やご家族が最初に気づく症状として多い症状は、片方の手または足のふるえ(振戦)や、歩行が遅くなることです。加えて、手などのこわばり(固縮)や身体が動かない(寡動・無動)といった症状もみられるようであれば、パーキンソン病が原因である可能性が高いといえます。これら運動症状のほか、非運動症状と呼ばれるものとして、便秘、嗅覚障害、めまい、睡眠の問題(眠れない、足に不快感がある、夜中に大声を出してあばれる)、不安やうつなどの精神症状が現れることもあります。

典型的なパーキンソン病の方では、診察室に入り椅子に座るまでの歩く姿勢や、パーキンソン病に特徴的な顔の表情などが診断の手がかりになります。さまざまな症状についてお話を伺うとともに神経学的所見をとり、加えてMRI検査によりパーキンソン病と似た症状を呈する他の神経変性疾患や腫瘍などが原因ではないことを確認したうえで、パーキンソン病を診断します。

パーキンソン病は薬による治療で症状の改善が期待でき、早期に治療を開始するほどQOLも保たれやすい疾患です。できるだけ早期に対処するため、「手がふるえる」「歩くのが遅い」といった症状で不自由を感じることがあれば、「年のせい」と思わず早めに神経内科医にご相談ください。

患者さんの年齢や症状に応じて薬の量と組み合わせを上手に調節することが重要

パーキンソン病の治療薬としては脳内のドパミンを補うL-ドパ合剤を中心に使用し、その成分がドパミンとして脳内に到達するのを補助する薬を併用することが多いです。L-ドパ合剤は長期に使用するとウェアリング・オフ(薬が効く時間が短縮する現象)が生じてくるといわれていますので、比較的若い方に対してはL-ドパ合剤の量を抑え、他の薬を用いることがあります。また、L-ドパ合剤のみで振戦が改善しない場合は、振戦への効果が期待できる補助薬を用いることもあります。このように、患者さんの年齢や症状に応じて薬の量と組み合わせを上手に調節することが重要なのです。

L-ドパ合剤を長期に使用していると、ジスキネジア(手足や口が意に反して動く症状)という症状が現れることもあります。まれに、患者さんご自身の判断で薬を多く服用していることが原因である場合もありますので、まず患者さんの服薬状況を確認したうえで、L-ドパ合剤の分割投与(1回の服薬量を減らし、服薬回数を増やす)を行ったり、補助薬を調節したりすることで対応します。なお、補助薬の多くは薬の効果を感じられるようになるまで1~2カ月ほど要することがあるため、すぐには効果が感じられなくてものみ続けることが大切です。

リハビリテーションは専門スタッフのサポートのもと、安全に行うことが大切

パーキンソン病治療の中心は薬物療法であり、これを支えるものとしてリハビリテーションがあります。先ほど述べたように、リハビリテーションは廃用性萎縮の予防などに有用と考えられますが、決して無理せず、専門スタッフのサポートのもとで安全に行うことが何より大切です。特に高齢の方は、転倒などによるケガを避けるため、おひとりで無理することのないよう気をつけてください。比較的若い方の場合や、ご自身で身体を動かすことができる場合は、散歩や旅行、その他の趣味などを通じて日常の活動性を高めることをお勧めします。

薬を調節し、よりよい状態を得るために、何でもお知らせください

パーキンソン病の薬物療法では、状態に合わせて薬を調節することが大切です。新しい薬を服用し始めたことでどんな症状がよくなったか、あるいはどんな症状でまだ悩んでいるかといったことを、何でもお知らせください。患者さんご自身ではうまく説明できないこともありますので、患者さんをよく観察・理解されている方にも一緒に診察に来ていただき、患者さんに関するさまざまなことをお教えいただきたいと思います。お聞かせいただく情報すべてが、薬を調節し、よりよい状態を得るために役立つのです。

病院名および診療科 サンルーナ小寺内科クリニック
住所 〒300-0028 茨城県土浦市おおつ野2-1-1
電話番号 029-869-8882
医師名 小寺 実(こてら みのる)先生
ホームページ http://www.sunluna.jp/外部リンク

※ 掲載情報は取材当時の内容となりますので予めご了承ください。