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ドクターからのメッセージ 高血圧治療のポイント 先生が高血圧治療のポイントを、Q&A形式で分かりやすくお話します。 みなさまの日々の健康維持にお役立て下さい。実際にどのような治療を行うのか、日常生活では何に気をつければよいかなど、みなさまの疑問にお答えします。

※ 掲載情報は取材当時の内容となりますので予めご了承ください。

ドクターのご紹介

中国 山口県 下関市

心臓病を予防する最も効果的な方法は、“ブレスローの7つの健康習慣”と“人生のシンプル7”を守りながら、健やかな生活習慣を維持することです。
医師と患者さんの二人三脚で生活習慣の改善に取り組みましょう。

山口県済生会下関総合病院 循環器内科
科長
立野 博也先生

ドクターからのメッセージ

Q1. 心臓病を予防するために生活の中で注意したほうがよいことは何でしょうか?

当院は下関市における中核病院の一つであり、循環器科では心不全や心筋梗塞の急性期治療、不整脈を治療するための除細動器(ICD)等の植込みデバイスの設置、不整脈に対するカテーテルアブレーションなどを積極的に行っています。当科を受診される患者さんのほとんどが、心臓病や脳卒中の危険因子を多く有する方々です。そうした患者さんに私が必ずお話をしているのが“7つの健康習慣”を守ることの大切さです。この“7つの健康習慣”とは、米国カリフォルニア大学のブレスロー教授が数千人を対象とした疫学研究の結果から見出したもので、①「1日7~8時間の睡眠をとる」、②「ほぼ毎日朝食をとる」、③「あまり間食をしない」、④「適正体重を維持する」、⑤「運動、スポーツをする」、⑥「酒は大量に飲まない」、⑦「タバコは吸わない」の7つです1)。この7つのうち多くを守っている人ほど病気にかかる率が低く、平均余命も長いことがわかっています。たとえば、45歳男性で守っているのが6~7項目の人と0~3項目の人で比較すると、前者は後者に比べて平均余命が約12年も長かったのです。これは、守っている項目数が少ない方は高血圧や脂質異常症(高脂血症)になる可能性が高く、それが心臓病などの生命にかかわる病気の発症に影響しているためだと考えられます。7つの健康習慣はいずれも当たり前に思えることばかりですが、いざ実践するとなるとなかなか守れないものです。この7つの健康習慣は、心臓病や脳卒中の再発予防の患者さんだけでなく、すべての方に守っていただきたいことですので、今一度、自分の生活習慣を振り返ってみていただければと思います。

Q2. 生活習慣の改善を始めたいのですが、取り組みやすい方法を教えてください。

前述した“ブレスローの7つの健康習慣”を踏まえて開発されたのが、“Life’s Simple 7(人生のシンプル7)”です。これは、体重、喫煙状況、運動状況、食事習慣、血圧値、コレステロール値、血糖値という7つの指標を、状態がよいほど高い配点にして点数化し、合計点が高いほど心臓病にかかりにくいという考え方です。これら7つをよい状態に保ち、心臓病を予防しようと米国心臓病協会が提案しました2)。

人生のシンプル7の根拠となった米国の研究では、約18,000名において7つの指標を点数化し、合計点数が高い群、中程度の群、低い群に分けて死亡リスクを比較したところ、点数が高い群ほど死亡リスクが低くなっていました3)。また、最近の研究では、人生のシンプル7の点数が高い群では低い群に比べ、心不全の発症リスクが低かったと報告されています4)。

人生のシンプル7は米国発の考え方であり、数値目標などは日本人向けではありませんので、それぞれの目標値は医師と相談して決定しましょう。これらの中でも、生活習慣についての4項目(喫煙、体重、運動、食事)は患者さんの努力に負うところが大きく、これらを改善することがより大きな心臓病予防効果をもたらします。少しずつでもよい状態へ近づけるよう、例えばエレベータやエスカレーターではなく階段を使う、惣菜を買う時には添加物を確認してナトリウム量の少ないものを選ぶ、魚を食べるなら青魚を選ぶなど、簡単に取り入れられることから始めましょう。

Q3. 地域の高血圧患者さんへのメッセージをお願いします。

心臓病を予防するには、高血圧や脂質異常症(高脂血症)などの病気を予防・治療することが大切ですが、それらの病気が起こる基盤となっているのは生活習慣の乱れです。“ブレスローの7つの健康習慣”と“人生のシンプル7”に気をつけながら、健やかな生活習慣を維持することが心臓病を予防する最も効果的な方法と考えます。医師は、患者さんの生活習慣の改善のためにさまざまなアドバイスができます。また、高血圧の治療は医師と二人三脚で進めていくことが大切です。生活習慣の改善方法や高血圧の治療に関して疑問や不安があれば、遠慮せず医師にご相談ください。

参考文献

1)Belloc NB&Breslow L. Prev Med. 1972; 1(3): 409-421.
2)American Heart Association.
  http://www.heart.org/HEARTORG/Conditions/My-Life-Check---Lifes-Simple-7_UCM_471453_Article.jsp#
3)Cushman M, et al. AHA 2011; abstract #17917.
4)Folsom AR, et al. Am J Med. 2015; 128(9): 970-976.e2

病院名および診療科 山口県済生会下関総合病院 循環器内科
住所 山口県下関市安岡町8-5-1
電話番号 083-262-2300
医師名 立野 博也先生
ホームページ http://www.simo.saiseikai.or.jp/外部リンク

※ 掲載情報は取材当時の内容となりますので予めご了承ください。