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ドクターからのメッセージ 高血圧治療のポイント 先生が高血圧治療のポイントを、Q&A形式で分かりやすくお話します。 みなさまの日々の健康維持にお役立て下さい。実際にどのような治療を行うのか、日常生活では何に気をつければよいかなど、みなさまの疑問にお答えします。

※ 掲載情報は取材当時の内容となりますので予めご了承ください。

ドクターのご紹介

関東 神奈川県 川崎市高津区

高血圧治療の目的は脳卒中や心臓病の予防です。健康診断などで高血圧を指摘されたら、できるだけ早く病院を受診し、適切な治療を継続することが大切です。

帝京大学医学部附属溝口病院 第四内科
病院教授
速水 紀幸先生

ドクターからのメッセージ

Q1. 高血圧だといわれたのですが、なぜ治療をしなければならないのでしょうか。

高血圧は自覚症状に乏しい生活習慣病であるため、「血圧が高い」と指摘されても、あまり実感がないかもしれません。しかし、これまでの研究から血圧が高くなればなるほど、脳卒中や心臓病などの病気を発症する可能性が高まることが明らかにされています。高血圧を治療する目的は、こうした命にかかわる病気の発症を予防することなのです。患者さんのなかには、高血圧を指摘されて治療を始めたにもかかわらず、その後、治療を止めてしまい、数ヵ月後に脳卒中で病院に救急搬送され、「あのとき高血圧の治療をちゃんと続けておけば、脳卒中にはならなかったかもしれない」と悔やまれる方もおられます。脳卒中などの重大な病気を起こさないためには、健康診断などで高血圧を指摘されたら早い段階で受診し、生活習慣を改善したり、治療を継続したりすることが大切です。

Q2. できれば薬は飲みたくないのですが、血圧は生活習慣の改善だけで下がりますか。

降圧薬が必要かどうかは、現在の血圧値や脳卒中や心臓病の既往、あるいは糖尿病などの合併症の有無によって決まります。血圧が非常に高い人や合併症のある人などは、すぐに降圧薬での治療を開始する必要があります。一方、軽症の高血圧であれば、生活習慣を改善するだけで血圧が下がり、降圧薬による治療は必要でない場合もあります。しかしながら、生活習慣の改善は、高血圧の重症度にかかわらず血圧を下げる効果があるため、減塩や体重のコントロール、禁煙などは、すべての患者さんに取り組んでいただきたいと思います。とくに肥満傾向にある患者さんには、減量を心がけていただきます。

“減量”というと、みなさんは一生懸命運動して汗をかき、たくさんのエネルギーを消費して行うようなイメージをもっているかもしれません。しかし、私たちが運動で消費するエネルギー量は、標準的な体格の人が早足で1時間歩いておよそ300kcalです。脂肪1kgは9,000kcalに相当するので、毎日1時間のウォーキングを1ヵ月続けてようやく1kgの脂肪を落とすことができるという算段になります。このように考えると、やはり運動だけで減量するというのは非現実的なので、運動に加えて毎日の食生活のなかで摂取エネルギー量を1~2割減らすことも必要だと思います。

Q3. ここのところ忙しくて続けて薬を飲み忘れてしましました。薬が余っているのですが、どうしたらよいでしょうか。

もし、飲み忘れた薬がたくさん余っているようであれば、そのことを診察の際に医師に伝えてください。医師は患者さんが薬をきちんと飲んでいることを前提に治療を決めていますので、薬が余っていることを医師に伝えることは治療の上でも非常に大切なことなのです。血圧が十分に低下していない原因が薬の飲み忘れであることがわからないと、医師は処方した薬が足りていないと思い、降圧薬を増やしたり、強い薬に変えたりしてしまうかもしれません。患者さんから飲み忘れをお知らせくだされば、不要な薬の増量を避けることができます。

薬の飲み忘れは、高齢の患者さんではとくに注意が必要です。なかには理解力の低下や認知症がみられる患者さんもいらっしゃいますので、薬の飲み忘れだけでなく、飲むタイミングや錠数なども間違っていることがあります。私の経験でも、一人暮らしの高齢の患者さんがご家族と同居するようになったとたんに、薬の内容を変えていないにもかかわらず、血圧が急に下がって驚いたことがあります。おそらく、その患者さんはそれまではきちんと薬を飲んでいなかったのが、家族が薬を管理するようになって毎日正しく服薬できたためだと思います。このように高齢の患者さんの服薬管理には、ご家族の協力が必要な場合もあります。

また、医師は薬剤の処方にあたっては、1日1回服用の薬を選択したり、配合剤という複数の成分が含まれた錠剤を使って服用錠数を減らしたりするなど、治療を継続しやすい工夫もしています。もしも服薬について何か困っていることがあれば、一度、主治医に相談してみてはいかがでしょう。

Q4. 今朝、家庭血圧を測定したところ、いつもより低めでした。降圧薬はいつもどおり飲んでも大丈夫でしょうか。

降圧薬は、毎日一定の時間に同じ量を飲み続けることが大切です。血圧が低いからといって服薬を休んだり、飲み忘れたからといって倍量飲んだりすることはしないでください。忙しくて食事をとることができなかったとしても、薬はきちんと服用するようにしましょう。また、血圧は常に変動しているものなので、測定値の上がり下がりに関してはあまり神経質にならず、どのような値が測定されても、薬はいつもどおり服用するようにしてください。もし、いつもとは大幅に異なる測定値が続いていたとしても、薬の調節については自己判断をせずに、血圧手帳など測定値を記録したものを持って、早めに医師に相談してください。

Q5. 地域の高血圧患者さんにメッセージをお願いします。

高血圧は自覚症状がなく、治療を行っても効果を体感しにくいこともあり、治療の継続を迷う患者さんもいらっしゃるかもしれません。しかし、高血圧などの病気を治療することで、命にかかわる重大な疾患を予防できるのならば、それはあなたの人生にとって非常に有益なことです。薬を飲み続けることに抵抗感を感じるかたもいらっしゃいますが、最近の降圧薬は、有効性と安全性について非常によく研究され、広く使われています。もしも、私自身が高血圧と診断されたとしても、脳卒中や心臓病を予防するために降圧薬を飲む、という手段を選びます。ご自身やご家族の血圧に関して気になることがあるときには、早めに病院を受診し、適切な指導や治療を受けるようにしてください。

病院名および診療科 帝京大学医学部附属溝口病院 第四内科
住所 神奈川県川崎市高津区溝口3-8-3
電話番号 044-844-3333
医師名 速水 紀幸先生
ホームページ http://teikyo-mizonokuchi.jp/外部リンク

※ 掲載情報は取材当時の内容となりますので予めご了承ください。