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ドクターからのメッセージ 高血圧治療のポイント 先生が高血圧治療のポイントを、Q&A形式で分かりやすくお話します。 みなさまの日々の健康維持にお役立て下さい。実際にどのような治療を行うのか、日常生活では何に気をつければよいかなど、みなさまの疑問にお答えします。

※ 掲載情報は取材当時の内容となりますので予めご了承ください。

ドクターのご紹介

北海道 北海道 札幌市中央区

高血圧と糖尿病の合併は脳卒中などの心血管イベントのリスクを相乗的に高めます。
積極的に健康診断を受け、重症化・合併症をきたす前に生活習慣の改善や治療に取り組みましょう。

萬田記念病院 内科
坂東 秀訓先生

ドクターからのメッセージ

Q1. 萬田記念病院の特徴と最近の糖尿病患者さんの傾向を教えてください。

当院では、糖尿病専門医と糖尿病療養指導士が常勤し、糖尿病を中心としつつ、糖尿病に合併した疾患を含めた総合的な診療を行っています。

みなさんは、病気の治療というと「お医者さんが患者さんを治す」というイメージをお持ちかもしれません。しかし、糖尿病の場合、患者さんご自身で日常の生活習慣を改善し、体重や血糖値を管理していただく必要があります。そこで当院では、患者さんが自身の生活習慣を振り返り、改善への「気づき」をもって治療に望んでいただけるよう、専門スタッフによる情報提供やコーチングを実践しています。また、場合によっては食事内容や内服薬に関する知識を正しく習得できているかどうかをクイズ形式で確認するなど、患者さんが積極的に治療に参加できるよう支援しています。

最近の糖尿病患者さんの傾向としては、年齢を問わず肥満を合併している人が増えているということです。中には肥満手術が対象になるBMIが35kg/m2を超えるような「高度肥満」の方もいらっしゃいます。こうした背景もあってか、近年、肥満患者さんが罹りやすい睡眠時無呼吸症候群の合併も増加しています。睡眠時無呼吸症候群は眠っている間に一時的に呼吸が止まってしまう病気ですが、これは血圧の上昇を招くとともに、降圧薬を使って治療してもなかなか血圧が下がらない難治化にもつながるため、問題となっています。また、糖尿病は高血圧と同様に動脈硬化を進行させますが、この両者が重なると、脳卒中や心筋梗塞、末梢血管障害などの心血管病を起こす可能性をさらに高めてしまいます。したがって、高血圧と糖尿病を合併している患者さんでは、糖尿病そのものの治療に加えて、高血圧の治療、そして生活習慣の改善による減量などを総合的に行っていく必要があります。

Q2. 糖尿病に合併した高血圧の治療はどのように行うのですか。

糖尿病に合併した高血圧であっても、基本的には通常の高血圧の治療と同じく、患者さんの血圧の状況を把握しながら、生活習慣の改善や薬物治療を行います。高血圧の治療にあたっては、まず家庭での血圧測定を習慣にしていただきます。血圧計はご自身が使いやすいものでよいので、起床後、トイレをすませた後に測定して記録しましょう。血圧の治療目標値は、糖尿病のある患者さんの場合は家庭血圧で125/75mmHg(目安)と、合併症のない高血圧患者さんの目標値(家庭血圧で135/85mmHg未満)よりも低めに設定されています。これは、高血圧と糖尿病の合併によって血管病のリスクがより高くなるため、さらに厳格なコントロールが必要となるからです。

家庭血圧の記録を続けていくと、多くの患者さんはご自身の血圧に興味が沸いてくるようです。すると次第に自身の体調の変化や、血圧が上がってしまった原因などを考えられるようになります。こうしたことが生活習慣の改善へもつながり、薬物治療を行っていれば治療の効果も感じられます。つまり、家庭血圧の記録は、医師が治療の参考にするためだけでなく、患者さんが自己管理をするための指標にもなるのです。

Q3. 血糖や血圧の高い人は食生活でどのような点に注意すればよいですか。

一般に言われていることですが、食生活の中でも血圧に直接的に関係するのは塩分摂取量です。よって、まずは減塩を心がけることが大切です。しかし、高血圧や糖尿病の患者さんでは、塩分摂取量だけでなくカロリー摂取量も非常に多くなっています。そこで、減塩に加え、まずは1日あたりのカロリー摂取量の上限を意識するようにしてください。中には1食で1日分のカロリーを摂取してしまうような食生活の人もいますが、このような食べ方は食後の血糖値を大きく変動させてしまうため大変危険です。1日分のカロリーを3回に分けて摂取するように心がけましょう。また、カロリー摂取量が多くなると、コレステロールや内臓脂肪の増加を招きます。やがてはそれが脂肪肝につながり、さらに高血圧などの生活習慣病の悪化を招くという悪循環に陥ります。このため、生活習慣病の患者さんの食生活ではカロリーコントロールが非常に重要だと考えます。

一方で、最近は炭水化物などの糖質を減らす「糖質制限食」を用いた食事法が流行しています。糖質制限食は短期的には体重の減少や血糖値の低下が得られるのですが、長期的に見ると、糖質の代わりに蛋白質や脂質の摂取量が増えることで、腎臓へ大きな負担がかかったり、極端な糖質の制限が結果的に動脈硬化を招いたりするとも言われています。また、糖質は脳が働くためのエネルギー源としても重要なものなので、食事から糖質をすべて排除するという食生活は避けましょう。糖質を制限するのであれば“ご飯の量をお茶碗半分に減らす”というようなかたちで行い、バランスのよい食事を心がけてください。

Q4. 地域の高血圧患者さんへメッセージをお願いします。

高血圧や糖尿病の診察をしていると、血圧や血糖の異常を指摘されても治療せずに放置し、いざ病院を受診したときには重症となっていて治療に難渋する患者さんが多くみられます。糖尿病や高血圧をはじめとした生活習慣病は、早期の段階で生活習慣の改善や治療を開始し、継続してくことが大切です。まずは積極的に健康診断を受け、ご自身の体の状態を把握するようにしてください。もし、受診を勧める結果が出た場合には、できるだけ速やかに診察を受けるようにしましょう。また、高齢の患者さんや合併症の多い患者さんは、高血圧や糖尿病の治療薬以外にも多くの薬を飲まなくてはならず、大変な思いをしている人もいらっしゃるかもしれません。当院では薬剤を飲む回数や服薬錠数をできるだけ減らすなど、患者さんが長く治療を続けられるような処方を心がけています。治療の悩みや不安を一緒に解消しながら治療を継続していきましょう。

病院名および診療科 萬田記念病院 内科
住所 札幌市中央区南2条西1丁目1番
電話番号 011-231-4032
医師名 坂東 秀訓先生
ホームページ http://www.manda.or.jp/外部リンク

※ 掲載情報は取材当時の内容となりますので予めご了承ください。