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ドクターからのメッセージ 高血圧治療のポイント 先生が高血圧治療のポイントを、Q&A形式で分かりやすくお話します。 みなさまの日々の健康維持にお役立て下さい。実際にどのような治療を行うのか、日常生活では何に気をつければよいかなど、みなさまの疑問にお答えします。

※ 掲載情報は取材当時の内容となりますので予めご了承ください。

ドクターのご紹介

中部 三重県 鈴鹿市

生活習慣病のひとつである高血圧症は、急変すると重大な心血管病につながることがあります。体調がよいからと言って過信せず、かかりつけ医と相談しながら治療を継続するようにしましょう。

家田クリニック 内科、循環器科、呼吸器科、小児科
院長
家田 幸一先生

ドクターからのメッセージ

Q1. 高血圧症と他の生活習慣病が違う点は何でしょうか?

生活習慣病には、高血圧症のほか、脂質異常症や糖尿病、肥満などがあります。高血圧症が他の生活習慣病と異なるのは、血圧が急激に上昇すると、それが脳卒中や大動脈瘤破裂といった、生命を危険にさらす重大な心血管病の発症に直結してしまうという点です。これを自動車のスピードに例えるならば、普段は安全なスピード(=正常血圧)で運転していても、突然、一般道で時速180km(=高血圧)を出してしまうと、事故(=心血管病)のリスクが一気に上がるのと似ています。脂質異常症や肥満では、短期間のうちにコレステロールの値や体重が大きく変動することはあまりなく、またたとえ変動してもそれがすぐさま緊急事態につながるということはほとんどありません。一方、血圧は一日の時間帯や季節、その場の状況などに応じて絶えず変動しており、ひとたび急上昇すると、それが重大な心血管病につながることもあるのです。

特に、脳動脈瘤(脳動脈に“こぶ”ができた状態)や心臓弁膜症(心臓で血液の逆流を防ぐための弁に異常がある)、大動脈瘤(大動脈に“こぶ”ができた状態)などの心血管系の所見が認められる方や重症の高血圧の方は、急激な血圧上昇に注意が必要です。

Q2. 家庭血圧が正常であれば治療を止めてもいいでしょうか?

近年、家庭血圧の重要性が周知され、高血圧の治療を行う際は必ずと言っていいほど患者さんに家庭での血圧を測定してもらい、そのデータを基に治療方針を決めるようになりました。

当クリニックでも、初診時には必ず血圧手帳をお渡しして、家庭血圧値(朝・夕測定)を2週間記録していただき、本当に高血圧か、あるいは本当に正常血圧かどうかを見極めています。

自宅以外の場所で測定する随時血圧は、家庭血圧と比べると、気温や仕事のストレスなどによって夏場は10~20mmHg、冬場は20~30mmHg程度上昇することが多いです。また、診察室で測定する血圧は、家庭血圧より高くなる例があり、それを“白衣高血圧”と呼んでいます。白衣高血圧の場合、積極的な治療は必要とされないケースがありますが、受診時に心肥大や大動脈瘤、心不全を疑う兆候[心胸比(胸部レントゲン画像で胸部の幅が最も広い部分と心臓の幅が最も広い部分の比)の拡大、脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP;心室から分泌されるホルモン)の上昇など]が認められる場合は根底に高血圧症による心・腎・血管系の変化や負担が存在すると考え、治療を検討します。また、心エコー検査でたとえ非常に軽くても心臓弁膜症が見つかった患者さんにおいては、少なくとも減塩指導に加え、血圧が高くなるような所作(ウエイトリフティングなど力む無酸素運動、和式トイレでいきむことなど)は行わないよう指導します。加えて、心臓弁膜症の所見がある場合は、その重症度にかかわらず、抜歯やインプラント等の歯科処置を行う際には、必ず抗菌剤の予防投与を行い、細菌性心膜炎の発症に気をつけるよう注意を促しています。

家庭血圧が正常であっても、随時血圧が持続的に上昇している場合には何らかの心血管リスクが隠れている可能性があります。したがって、家庭血圧で正常値が続いているからといって、自己判断で降圧薬の服用や減塩への取り組みを止めたりせず、その後の治療については必ず主治医と相談しましょう。降圧薬の服用が負担な方は、服用回数や錠剤数を減らすこともできるので、まずは主治医に話してみましょう。

Q3. 健康診断での血圧測定で注意すべきことは何でしょうか?

健康診断で血圧を測定すると、緊張で血圧が上昇する人が多いのですが、中には血圧が低下する人もいるので注意が必要です。これは、一般に検査前日の夜9時以降から検査当日まで飲食禁止となる健康診断では、空腹によって脱水気味となり、いつもよりも血圧が低下しがちになるためです。健康診断で行う検査の種類にもよりますが、正しい血圧の値を得るためには、検査の妨げにならない程度に水を飲んだ上で血圧測定を行っていただくのがよいと考えます。

Q4. 地域の高血圧患者さんにメッセージをお願いします。

高血圧症は生活習慣病の一つに位置付けられており、脳動脈や心臓血管系に明らかな異常がない場合、治療はまずは生活習慣の見直しから始めます。しかし、軽度でも異常があれば、血圧が急激に上昇することで引き起こされる重大な心血管病の発症を防ぐため、速やかに降圧薬による治療を検討します。

高血圧は自覚症状がほとんどありませんが、降圧治療を始めて普段の体調がよくなった、あるいは家庭血圧が正常の範囲内になったからといって過信せず、かかりつけ医と相談しながら生活習慣の是正や定期受診は継続するようにしましょう。

病院名および診療科 家田クリニック 内科、循環器科、呼吸器科、小児科
住所 三重県鈴鹿市南江島町5-8
電話番号 059-388-8778
医師名 家田 幸一先生
ホームページ http://website2.infomity.net/8390000121/外部リンク

※ 掲載情報は取材当時の内容となりますので予めご了承ください。