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ドクターからのメッセージ 高血圧治療のポイント 先生が高血圧治療のポイントを、Q&A形式で分かりやすくお話します。 みなさまの日々の健康維持にお役立て下さい。実際にどのような治療を行うのか、日常生活では何に気をつければよいかなど、みなさまの疑問にお答えします。

※ 掲載情報は取材当時の内容となりますので予めご了承ください。

ドクターのご紹介

関東 千葉県 八千代市

高血圧の治療の主役は患者さんご本人です。

健康寿命をのばし、人生を楽しむためにも治療を継続してください。

緑が丘クリニック
院長
釜野 安昭先生

ドクターからのメッセージ

Q1. 高血圧の治療はどのように進めるのでしょうか。

当院は、内科・心療内科、循環器科、小児科などを標榜し、身体・心理・社会・実存の4つからアプローチして患者さんの身体や心の健康問題を全人的に診ています。3分診療の時代といわれる昨今、医師に健康に関する悩みを相談したくてもできない患者さんは少なくないようですが、当院では患者さんからの相談には積極的に応じ、地域のファミリークリニックとして皆様の健康をサポートしていきたいと考えています。

当院は高血圧の患者さんも多く、1日20人くらい診ています。高血圧の治療の主役は医師ではなく、患者さんご本人です。治療は長期に及ぶことが多いのですが、私は患者さんに「何歳くらいまで、どのように過ごしていきたいですか」などと質問し、その方の人生観なども踏まえて、無理のない治療プランを立てるようにしています。高血圧には、心筋梗塞や脳梗塞が生じやすいタイプ、脳出血が生じやすいタイプなどがありますが、起立負荷テストを行うと、どのタイプかある程度予測できますから、治療プランを立てる際にはそういったことも参考にしています。また、当院では高血圧の患者さんに生じやすい異常を早期に発見し、迅速に対応するために、さまざまな検査を定期的に行っています。例えば、胸部X線(レントゲン)検査では心拡大や心肥大、心電図検査では心房細動などの不整脈を早期に発見することが可能です。起立負荷検査では高血圧の悪性度も確認できます。また、LDLコレステロールや中性脂肪、RLPコレステロールなど、血管に悪影響を及ぼす因子を見逃さないために血液検査も行っています。このほか、血管年齢検査、頸動脈超音波検査、心臓超音波検査なども実施しています。

また、高血圧の治療を開始する際には「高血圧の治療は途中で飽きたり、サボりたくなるときがありますが、そのときは私に相談してください。また、途中で治療をやめてしまって再び治療を開始したいと思ったときに私はあなたを叱ったりしませんから、気にせずに来院してください」などとお伝えし、患者さんが治療を中断してしまっても再受診、治療再開がしやすいように心がけています。

Q2.高血圧の治療で重要とされる生活習慣の修正のポイントを教えていただけますか。

高血圧を治療する上で、食事や運動などの生活習慣の修正は不可欠です。しかし、食べることを最大の楽しみにしている方は多く、強く制限することはその方の楽しみを奪うことにもなりますから、少しずつ改めていただければと思っています。食事に関して、私から患者さんにお勧めしていることがあります。それは朝食はできるだけ粗食にすることです。内臓の疲弊を防ぐためにも、朝食のかわりに野菜ジュースにすることで、夕食から翌日の昼食まで約12時間内臓を休めることができ、身体全体の自然治癒力が高まると考えられるからです。もう1つは塩分をなるべく控えることです。高血圧の患者さんは塩分を摂りすぎている方が多いですから、「お刺身を食べる際は、両面にお醤油につけるのではなく、片面だけにしましょう」などと減塩の工夫について具体的に説明するようにしています。また、無理のない筋肉トレーニング(筋トレ)も大切です。筋トレは血流の改善につながるだけでなく代謝を上げ、また筋肉量を保つことでストレスにも強くなります。手軽にできる筋トレの1つとして私は患者さんに、机などに手をかけて行うやさしい「斜め腕立て伏せ」をお勧めしています。

Q3.不眠を伴う高血圧の場合、日常生活ではどのようなことに気をつけるべきでしょうか。

不眠と高血圧は密接な関係にあり、不眠によって高血圧が悪化、また血圧の上昇によって不眠が生じるといった悪循環が形成されます。不眠と高血圧は合併しやすく、当院の高血圧の患者さんからも不眠に関する相談をしばしば受けます。そうした場合、まずは問診で不眠の症状の4つのタイプ、寝つきが悪い「入眠困難」、夜中に何度も起きてしまう「中途覚醒」、希望する時間よりも早く目が覚めてしまう「早朝覚醒」、眠りが浅く熟睡した感じがしない「熟眠障害」のいずれに該当するのか確認します。不眠は生活習慣が原因となっていることもあるため、特に夕食後から就床までの過ごし方を患者さんに尋ね、不眠を引き起こす要因がないか探っていきます。例えば、早朝覚醒が疑われた高齢の患者さんのお話をよく聞いてみると、「毎日午後9時くらいに寝ているけれど、明方4時前に目が覚めてしまう」といった、実際の睡眠時間は十分なのに、不眠だと思い込んでいらっしゃるケースもあります。そのような場合は床に就く時間を遅らせるように指導しています。入浴後、布団に入るタイミングも大切です。お風呂に入って温まった身体が少し冷えてくる頃に眠くなるため、まだ体温が高い入浴直後に布団に入って眠ろうとするのは避けたほうがよいでしょう。また、特に若い患者さんでは、パソコンなどを使った作業によって起こるVDT症候群(VDT:ビジュアル・ディスプレイ・ターミナル)、寝酒、喫煙などが原因となって不眠に陥っていることが少なくありません。これらが疑われる場合は、パソコンの作業環境や作業方法を適正に整えること、睡眠の質を低下させる寝酒をやめること、禁煙あるいは節煙することが大切です。不眠を放置しておくと高血圧の治療にも悪影響を及ぼしますから、眠れない場合はかかりつけ医に相談してください。

Q4. 高血圧の患者さん、そのご家族へのメッセージをお願いします。

私は高血圧の治療の目標は、寿命が来るまで元気で楽しく暮らすことだと考えています。健康寿命をのばし、寿命がくるまで元気に生活する、いわゆる「ピンピンコロリ」を達成するためも、そして、人生を楽しむために治療を続けてください。
また、人は配偶者、友人、恋人など、自身を大切に思ってくれる周りの方のサポートなしで生きていくのは難しい生き物です。高血圧の患者さんにとって、ご家族の存在は重要です。ご主人が高血圧の場合、健康のカギを握る奥様は最も重要なサポーターですから、自己管理をスムーズに行えるよう、ぜひ励ましながら支えてあげてください。

高血圧治療の主役はあくまで患者さん本人です。医師もサポーターの1人でしかありません。どうありたいかを意識しながら、継続して治療に取り組んで頂ければと思います。

病院名および診療科 緑が丘クリニック
住所 千葉県八千代市大和田新田974-1
電話番号 047-480-3555(代)
医師名 釜野 安昭先生
ホームページ http://www.midorigaoka-clinic.com/外部リンク

※ 掲載情報は取材当時の内容となりますので予めご了承ください。