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ドクターからのメッセージ ファブリー病治療のポイント

※ 掲載情報は取材当時の内容となりますので予めご了承ください。

ドクターのご紹介

内科

北海道・東北岩手県盛岡市

岩手医科大学 内科学講座
神経内科・老年科分野 准教授
米澤 久司(よねざわ ひさし)先生

ドクターからのメッセージ

小児では体温上昇時の手足の痛みやしびれがよく見られます

当科は脳卒中の患者さんを中心に、年間約600例の入院患者さんに対応しています。当院は岩手県の「認知症疾患医療センター」に指定されているため、外来ではアルツハイマー型認知症やレビー小体型認知症の患者さんを診療する機会が多い一方、希少疾患であるファブリー病の診療にも力を入れており、県内外の施設からの相談にも対応しています。

ファブリー病はα-ガラクトシダーゼ(α-Gal)という酵素の生まれつきの欠損あるいはその働き(活性)の低下により、本来であればα-Galによって分解されるはずの糖脂質が血管壁などに蓄積することによって発症する病気です。現れる症状は様々であり、小児では手足の痛みやしびれ、汗をかきにくい低汗症、赤紫色の発疹などがよく見られます。手足の痛みやしびれは身体が温まると現れやすくなるため、ファブリー病の子供は運動を極端に嫌がることがあります。また、健診で尿蛋白が認められたり、便秘や立ちくらみなどの自律神経症状や、角膜や聴覚の異常が現れたりもします。病気は徐々に進行し、30歳代以降では心肥大や腎不全、脳卒中といった重大な疾患のリスクが高くなります。

酵素活性測定や遺伝子検査などにより診断

ファブリー病は性染色体が関係する遺伝性の病気で、その発症には性差があります。男性は小児期に発症し、年を経るごとに全身症状を呈するようになるのが一般的ですが、女性の発症時期や重症度、現れる症状は様々です。

ファブリー病は一般的な健診では見過ごされやすく、酵素(α-Gal)の活性を検査することによって診断します。女性では患者さんであってもα-Galの活性値が正常範囲である場合があるため、遺伝子検査の結果も参考にして診断します。

治療は2週間に1回の酵素補充療法

ファブリー病の治療としては、欠損あるいは活性が低下している酵素を体外から補う「酵素補充療法」が行われます。酵素製剤を2週間に1回点滴静注する治療法で、できるだけ早期に開始することが大切です。ただし、症状の現れ方が多様な女性の場合は、患者さんと相談しながら治療開始時期を決めていきます。酵素補充療法を行ってもなお残る手足の痛みやしびれに対しては、対症療法を行うこともあります。

酵素補充療法は2週間に1回という投与法が負担となり、通院がおろそかになってしまいがちです。しかし、放置してしまうと将来的に脳梗塞などの重大な疾患につながる可能性がありますので、その意識を強く持って治療を継続してください。

自分や家族・親戚に疑わしい症状が見られたら、一度専門医にご相談ください

ファブリー病の子供は運動時に痛みが出現しやすいため、体育の授業を休む機会が増えます。それをさぼりと受け取られないか、友達に偏見を抱かれないか、学校の先生は病気を理解してくれるか、など、患者さん・ご家族が多くの苦悩を抱えることがあります。そうした場合は、遺伝性疾患に関する豊富な知識を有している専門家によるカウンセリングを実施することもあります。

たとえ現時点では自分に症状がなくても、ご紹介したような症状を呈している家族や親戚の方が身の回りにいる場合はご相談ください。特に、原因不明の若年性脳梗塞や腎不全をお持ちの方、手足の痛みやしびれがあって運動嫌いなお子さんなどは、その原因がファブリー病である可能性がありますので、一度は専門医に相談されることをお勧めします。

医療機関名称 岩手医科大学 内科学講座 神経内科・老年科分野
住所 〒020-8505 岩手県盛岡市内丸19-1
電話番号 019-651-5111(代表)
医師名 准教授 米澤 久司(よねざわ ひさし)先生
ホームページ http://www.iwate-med.ac.jp/hospital/clinics/medical/m04/外部リンク

※ 掲載情報は取材当時の内容となりますので予めご了承ください。