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ドクターからのメッセージ ファブリー病治療のポイント

※ 掲載情報は取材当時の内容となりますので予めご了承ください。

ドクターのご紹介

腎臓内科

近畿兵庫県神戸市

神戸大学大学院医学研究科
腎臓内科 腎・血液浄化センター 講師
藤井 秀毅(ふじい ひでき)先生

ドクターからのメッセージ

ファブリー病の症状は多岐にわたり、放置すると重大な疾患につながるおそれも

当科では県内各地の医療施設からのご紹介を受け、腎臓に関する多くの病気を診療しています。ファブリー病の治療経験も豊富であり、治療機会を通じて得られた知識と経験は診療科スタッフで共有しています。

ファブリー病はα-ガラクトシダーゼ(α-Gal)という酵素が生まれつき欠損あるいは不足しているため、本来であればこの酵素で分解されるはずのグロボトリアオシルセラミド(Gb3)という糖脂質が全身の様々な臓器・組織に蓄積することによって発症する病気です。Gb3は腎臓にも蓄積し、放置するとやがて透析が必要になることがあります。

ファブリー病に特徴的な症状としては小児期に現れる手足の先端の痛みや赤紫色の発疹、汗をかきにくい、もしくは汗をかかないなどがあります。その他、渦巻き状の角膜混濁や白内障、めまい、難聴、下痢・腹痛など、多岐にわたる症状を呈します。また、成人期以降になると蓄積したGb3が心・腎・脳血管に影響を及ぼし、心肥大・不整脈や腎不全、脳卒中といった重大な疾患を引き起こす可能性があります。

原因不明だと思われていた症状の背後にファブリー病が潜在していることも

ファブリー病の診断は、主にα-Galの酵素活性を測定することにより行われます。男性の場合はこれで診断がつくことが多いのですが、女性の場合は酵素活性が正常であることもあり、遺伝子解析が非常に重要となります。また、腎機能障害が主体のファブリー病患者さんは自覚症状に乏しいため、診断機会にたどり着きにくい傾向があります。原因不明の腎不全で透析治療を受けられている場合や健康診断などで尿蛋白や尿潜血といった尿検査値異常が指摘されたにもかかわらず原因が不明で、かつご家族・親戚に腎疾患や心疾患、脳血管疾患の方が多い場合は積極的に受診し、ご相談ください。ファブリー病を早期に発見する第一歩となる可能性があります。また、ファブリー病以外の病気を見つけ、適切な対応を開始できるきっかけになるかもしれません。

小児期に発症する古典型のファブリー病では、先ほどご紹介したように手足の先端の痛みや汗をかきにくい、もしくは汗をかかないといった症状を呈することが多いのですが、これらの症状が不登校や夏場の引きこもりを招くことがあります。精神的な問題として捉えていたが、その原因がファブリー病であることもあります。ファブリー病を早期に見いだし、治療を開始することにより、患者さんの生活が大きく変わることもあります。原因不明の症状だと思われていた症状の背後にファブリー病が潜在している可能性がありますので、お子さんが手足の痛みや汗をかかないことにお悩みであれば、一度検査を受けてみることをご検討ください。私たちはいつでもご相談に対応いたします。

早期に酵素補充療法を開始し、病態の進行抑制を目指しましょう

ファブリー病には酵素補充療法という治療法があります。欠損あるいは不足しているα-Galの働きを補うために、酵素製剤を2週間に1回点滴注射するという治療法です。Gb3の蓄積は年を経るごとに進行するため、早期に酵素補充療法を開始することで病態の進行抑制を目指すことが大切です。

酵素補充療法は2週間に1回の通院を必要とします。根気強く治療を続けることは決して簡単ではありませんが、放置すると重大な疾患につながりかねないことを常に念頭に置き、治療継続を心がけてください。私たちもサポートいたします。

医療機関名称 神戸大学大学院医学研究科 腎臓内科 腎・血液浄化センター
住所 〒650-0017 兵庫県神戸市中央区楠町7-5-2
電話番号 078-382-5111(代表)
医師名 講師 藤井 秀毅(ふじい ひでき)先生
ホームページ http://www.med.kobe-u.ac.jp/kidney/外部リンク

※ 掲載情報は取材当時の内容となりますので予めご了承ください。