大日本住友製薬
Innovation today, healthier tomorrows

ドクターからのメッセージ ファブリー病治療のポイント

※ 掲載情報は取材当時の内容となりますので予めご了承ください。

ドクターのご紹介

皮膚科

近畿大阪府吹田市

大阪大学大学院医学系研究科
皮膚科学教室 講師
金田 眞理(かねだ まり)先生

ドクターからのメッセージ

ファブリー病は各科と連携して治療を実施することが重要です

大阪大学皮膚科学教室には、皮膚疾患に苦しむ患者さんがより有効な治療を求めて来院されています。また、皮膚科学教室の果たす役割は、基礎研究の推進と難治性疾患の治療を担っていくことと考えています。ファブリー病は皮膚の症状以外にも様々な症状や臓器障害を伴いますので各科の連携が重要です。

ファブリー病は皮膚科の医師が見つけた疾患です

ファブリー病は約110年以上前に皮膚科医によって初めて報告された疾患です。遺伝子の変異により、αガラクトシダーゼという酵素の働きが弱く、本来分解されるべき物質が生体内で異常蓄積して、様々な症状が表れてくることが分かってきました。本疾患が報告されたきっかけは“被角血管腫”と呼ばれている皮膚の赤いできものです。はじめのうちは小さな点状赤色班が手や肘、脇腹に認められます。痛みはなく、押しても消失しません。学童期から発生し、年齢を経るごとに、その数は増え、発生部位も広範囲に亘ります。

ファブリー病では汗が出にくいという症状が見られます。赤ちゃんの時には大声で泣いたりするとすぐに熱が上がってぐったりとしたり、時に熱性痙攀をおこしたりします。このような症状を頻回に繰り返すことで見つかった患者さんもいます。少し大きくなり運動すると体温が上がるため、すぐに気分が悪くなったり倒れたりする事があります。学童期では運動嫌い、夏場が苦手と訴えられます。
また、ファブリー病では学童期から手足の痛みがみられることがあります。手足の痛みは熱によって誘発されるため、夏場や入浴、運動が苦手な場合があります。汗が出にくいため、体温が上昇しやすくなり、運動をすると手足が痛むと訴えることもあります。

ファブリー病は成人以降では心臓、腎臓、脳など様々な臓器に障害を生じ、命にかかわる場合があります。また、ファブリー病は遺伝性疾患ですので、子供に伝わる場合があります。病気の遺伝子が伝わると、男の子では症状がはっきり現れますが、女の子では病気の遺伝子が伝わっても症状が出なかったり、軽かったりする場合が多いといわれています。

日本では、2004年にファブリー病に対する酵素補充療法が可能となりました。生体内で不足している酵素を2週間に1回、点滴で補充することで、生体内に不要な物質の蓄積を低下させると同時に、すでに蓄積した不要な物質を分解除去します。この治療により手足の痛みなどの症状の改善、心臓、腎臓などの臓器障害の改善・進展抑制が期待出来ます。しかしながら、臓器の障害がすすんでひどくなってしまうと治療をおこなってもなかなかよくなりません。皮膚に見られる赤いできもの(被角血管腫)は酵素補充療法をおこなっても、必ずしも軽快しないとの報告もあります。このほかに必要に応じてほかのおくすりや治療法が用いられることもあります。

疑いの症状があれば相談を

皮膚症状(被角血管腫)は、ファブリー病の症状のうち、数少ない肉眼で確認出来る症状であり、早期診断するための重要な所見です。同様に、痛みや発汗異常も前述したように、特別な検査を受けなくても、自分でわかる症状で、やはり早期診断に役立つ症状の一つです。ファブリー病かもしれないと不安を感じたら、まずは主治医までご相談下さい。

医療機関名称 大阪大学大学院医学系研究科 皮膚科学教室
住所 〒565-0871 大阪府吹田市山田丘2番2号
電話番号 06-6879-5111(代表)
医師名 講師 金田 眞理(かねだ まり)先生
ホームページ http://derma.med.osaka-u.ac.jp/index.html外部リンク

※ 掲載情報は取材当時の内容となりますので予めご了承ください。