大日本住友製薬
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こんなことありませんか?【診断編】 CASE 4

体の病気や変化に伴う精神症状

CASE 4

症状(産後うつ病)

 Dさんは子どもが好きな28歳の女性です。24歳で大学の同級生と結婚し、28歳で子供を授かりました。待望の妊娠であったこともあり、妊娠がわかった直後は、子どもの顔をみることがとても楽しみで、うきうきした気持ちで子どもの服やベビーベッドを準備しました。妊娠9ヶ月頃に気分がやや落ち込んだことがありましたが、長続きすることはなく、予定日近くに健康な子どもが産まれました。
 お産の直後は、子どもが可愛くて家族みんなで喜んでいました。しかし次第に、Dさんは身体が重いと感じるようになり、日中起きているのがつらくなりました。「産後1ヶ月は体調はすぐれないものだよ」という周囲の言葉に自分もそうかなと思い、何とか子どもの世話を続けました。しかし産後2ヶ月目に入ると、身体のだるさがさらに強くなったばかりでなく、食欲がわかなくなり、夜も寝つきの悪い日が増えてきました。Dさんは「何かがおかしい」と感じるようになってきましたが、「お産の疲れがずいぶん長引いているねえ」と家族に言われると、その疲れを早くとろうと焦りも募ってきました。しかし調子はますます悪くなり、子どもの面倒をみることさえつらくなってしまい、「どうして自分は面倒をみられないんだろう」、「何もできない自分が情けない」と思い、涙を流すことが増えてきました。産後3ヶ月目には、子どもを可愛いと思えなくなってしまい、「子どもを産んだせいでこんな風にみんなに迷惑をかけている」「自分はいないほうがいいんじゃないか」と口にするほどになりました。ある日、夫の携帯に「もう死んだほうがいいかもしれない」とメールがはいりました。

診断

 産後うつ病は、産後女性の10~15%がかかるといわれています。出産の前後でホルモンが大きく変動する影響で脳のはたらきのバランスが崩れることと、出産や育児の疲労が重なることで、一時的に気分が落ち込んだ状態になります。治療としては、育児の負担を軽減して心身を休ませるとともに、抗うつ薬や睡眠導入剤などによる薬物療法が必要になります。
 Dさんは精神科医にこれまでの出産後のつらさをポツリポツリと訴え、死にたい気持ちになってしまっていることも話しました。精神科医はすべての話を聞き、Dさんと夫に単なる産後の疲れではなく「産後うつ病」であることを説明しました。混乱した気持ちでいたDさんは、自分が産後うつ病という状態であることがわかり少し安心し、治療を受けて早く良くなりたいと思えるようになりました。家族とともに、うつ病の症状について詳しく説明を聞き、育児の負担を軽減するための具体的なアドバイスを受け、また日常生活における家族の協力の仕方を相談しました。薬を服用すると、その晩からよく眠れるようになり、2週間後には食欲がもどり、1ヶ月後にはだるさが軽くなりました。その後、3ヶ月後には子育てを楽しめるほどに回復しました。