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こんなことありませんか?【診断編】 CASE 3

パニック障害

CASE 3

症例

 Cさんは大学1年生で、テニスとバンドのサークルに入り、楽しく過ごしていました。ある日、テニスの練習の後に友人と夕食をとり、家に帰ってテレビを見ていたところ、急に胸がドキドキしてきました。息を吸うのが苦しくなり、ハアハアする感じが強くなるにつれて、胸のドキドキはますますひどくなりました。「このまま死んでしまうのでは」と恐怖を覚え、あわてて救急車を呼び夜中に病院にいきました。病院に着くころには幸いドキドキはずいぶんおさまってきており、血液や心電図の検査でも異常はありませんでした。診察を受けた内科医から「疲れすぎですね、よく休んでください」といわれて家に帰りましたが、症状についての心配は消えませんでした。
 数日後、学校に行く電車の中で急に胸がドキドキし始め、前回と同じようにパニックになりそうになりました。途中の駅で降りて、駅員さんに救急車を呼んでもらい病院にいきましたが、今度も「異常はない」との検査結果でした。つらい症状を2回経験したため、次の日からは「また同じ症状が起きるのでは」との心配が頭を離れず、急行電車に乗るのは避けて時間がかかる各駅停車の電車を利用するようにしていました。
 用心していたせいかしばらくは落ち着いていたのですが、今度は大学の授業中に急に胸がドキドキし始めて、以前と同じような症状が起きました。

診断

 パニック障害は人口の2~3%がかかる病気です。症状は動悸や息苦しさなど体の症状として現れますが、そうした体調を調節する脳の中枢の不調と、不安な気持ちとの悪循環にもとづいて起こる、脳の病気です。
 パニックの発作は「このまま死んでしまう」という恐怖感を覚えることもあるつらい症状ですが、実際に命に関わるようなことはありません。しかし発作がまた起こるのではという不安を常に抱き続けるため、日常の行動が制限されてしまうことがあります。病気の特徴を良く知り、薬を服用することで、パニックの発作とそれへの不安感をコントロールできるようになります。薬をきちんと飲み続けると発作が起こりにくくなりますし、もし発作が起こってしまっても気持ちを冷静に保てるような工夫を身につけることで、症状は改善していきます。
 Cさんは薬をもらった日以来、発作があまり起こらなくなるとともに、発作がまた起こるのではとの不安も軽くなっていきました。急行電車に乗ることにも少しずつ慣れていくなかで、大学生活を楽しめるようにもなりました。1年ほど薬による治療を続けて良い調子が保てることを確認したうえで徐々に薬を減らし、今では不安が強まったときに臨時の薬を飲むぐらいで、普通の日常生活を送れるようになりました。