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実践健康ナビ −「知識編」あなたの数値は大丈夫ですか? 肝機能検査

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どんな検査?

血清総たんぱく(TP)

血清総たんぱくは、血清中(血液を放置したときにできる黄色い上澄み液)に含まれるたんぱくの分量です。100種類以上のたんぱくがあり、体内で一定になるよう保たれています。肝臓や腎臓に異常が生じると、血清たんぱくの値が変動します。血清総たんぱくが低い場合は、急性肝炎や肝硬変、フローゼ症候群、急性腎炎などが疑われます。数値が高い場合は、慢性の感染症、自己免疫疾患、多発性骨髄腫(たはつせいこつずいしゅ)などが疑われます。

AST・ALT

血液中のAST、ALTの量を調べます。 AST(アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ)とALT (アラニンアミノトランスフェラーゼ)は、それぞれGOT、GPTと呼ばれていましたが、国際的にAST、ALTが使われるようになり、日本でもこの名称に変更されました。どちらも肝臓の細胞の中にある酵素で、細胞をつくる原料となるアミノ酸(たんぱく)をつくるために欠かせません。肝細胞が壊れると、血液中にもれ出て高値になります。それぞれの数値から肝細胞の障害の程度を知ることができます。ASTの数値だけが高い場合には、心筋梗塞や筋ジストロフィーなどの筋肉の病気が疑われます。ただし、お酒を飲んだあとや運動したあと、肥満、ステロイド剤の服用などで一時的に数値が上昇することもあります。

AST・ALTが高度に上昇(500 IU/L以上)

急性肝炎や劇症肝炎などが疑われる

AST・ALTが中程度に上昇(100~500 IU/L)

アルコール性肝障害、活動型の慢性肝炎などが疑われる

AST・ALTが軽度に上昇(100 IU/L以下)

アルコール性肝障害、脂肪肝、非活動型の慢性肝炎、肝がんなどが疑われる

γ-GT(P)

血液中のγ-GTPの量を調べます。γ-GTPはASTやALTと同様に、肝臓の細胞の中にある酵素のひとつで、たんぱくを分解する働きがあります。肝臓の障害や、胆汁の流れが悪くなると数値が上昇します。γ-GTPはアルコール摂取に反応して高値になるため、γ-GTPだけが高値の場合は、アルコールが原因の可能性が高いでしょう。ほかの数値に異常がみられなくても、将来はアルコールによる肝機能障害を起こす可能性が高いので注意が必要です。γ-GTPとALPの数値がともに高い場合は、急性・慢性肝炎、肝硬変、肝がん、薬剤性肝障害、アルコール性肝障害のほか、胆石、胆道がん、膵臓がん、膵炎などが疑われます。

ALP(アルカリフォスファターゼ)

ほとんどの臓器に含まれるリン酸化合物を分解する酵素で、おもに、肝臓、骨、腸でつくられています。肝臓や胆道系に異常があるときや、骨や腸に障害が起こっているとき、血液中に増加します。ALPが高値の場合は、慢性肝炎、急性肝炎、閉塞性黄疸(へいそくせいおうだん/胆石やがんなどで胆道がつまり胆汁が排出されなくなった状態)のほか、甲状腺機能亢進症、骨軟化症などが疑われます。

A/G比(アルブミン・グロブリン比)

血清中にたんぱくの中心を占めるのがアルブミンとグロブリンです。この比率を調べることで病気を診断したり重症度を判断したりすることができます。健康な人はアルブミンが約67%、グロブリンが約33%という割合になっています。アルブミンは肝臓でつくられるので、肝臓に異常があると血液中のアルブミンが減少し、A/G比も低値になります。また、腎臓や胃腸に異常があると血液中のアルブミンが失われ、A/G比が低値となります。グロブリンは、免疫システムの異常によって増減します。感染や外傷など体内で炎症が起こると、免疫システムが活性化してグロブリン値が高くなり、A/G比は低値になります。多発性骨髄腫(たはつせいこつずいしゅ)でも低値を示します。免疫力が失われる無γ‐グロブリン血症ではグロブリンが少なくなり、A/G比は高値を示します。

アルブミン(Alb)

アルブミンは、肝臓でつくられるたんぱくです。血液の浸透圧を調整しているので、血液中のアルブミンが減少すると、むくみや腹腔内に水がたまる腹水(ふくすい)の原因になります。肝硬変、劇症肝炎などで低地となります。寝たきりに状態などでの栄養不良、甲状腺疾患や炎症性疾患、がんなどでも数値が低くなります。