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らいふすとれす読本

巷でよく聞く「自律神経失調症」とは、ストレスが大きな原因となり、身体にさまざまな症状をひき起こす病気です。かの夏目漱石もこの病に悩まされたのか、彼の作品には各種身体症状を訴える人物が登場します。では、どのような場面で登場しているでしょうか。

漱石は大食い、それでも食欲不振

彼は胃弱で皮膚の色が淡黄色を帯びて弾力のない不活溌な徴候をあらわしている。その癖に大飯を食う。大飯を食った後でタカジヤスターゼを飲む。

と言われています。また、『坊ちゃん』は職員会議で校長の狸に、教師は蕎麦屋や団子屋などにあまり出入りするなと言われて、

おれは脳がわるいから、狸の云うことなんか、よく分からないが、蕎麦屋や団子屋へいって、中学の教師が勤まらなくなっちゃ、おれみた様な食い心棒にゃ到底出来っこないと思った。

と息巻いています。それでも漱石は食欲不振を作品の中で幾つか登場させています。『道草』では、

それで双方とも腹の中には不平があった。健三が目を塞いでうつらうつらしていると、細君が枕元へ来て彼の名を呼んだ。
「あなたご飯を召上がりますか」
「飯なんか食いたくない」
………中略………

「まだ食気が出ませんね」
「少しも旨くない」

風邪による食欲不振を、夫婦仲がよくない設定に用いています。「飯なんか食いたくない」は夫婦の不仲が生じるストレスを暗示しているようです。いかなる原因であれ、自律神経の失調による愁訴に対しては心のケアが大切となります。