大日本住友製薬
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薬物治療 ~薬物療法の注意とその効果~

山田人志氏

山田 - パーキンソン病は薬が効くことも大きな特徴です。薬によって症状が緩和され普通の日常生活が送れます。また極端な例かも知れませんが、治療を受けず症状が進行し、寝たきりに近い状態になってからでも、適切な治療で歩いて通院できるようになった患者さんもおられます。早期にきちんと受診し治療を受けることが大切です。

岡田雅仁氏

岡田 - パーキンソン病は、基本的に脳にある神経の伝達物質であるドーパミンの減少が加齢以上に進んでしまうことで発症すると考えられていますから、薬剤治療の主はドーパミンを増やしたり、ドーパミンの作用を補うことです。この点で非常に重要な位置を占めるのが、L-DOPAという治療薬でドーパミンを補充するものです。

また最近ではドーパミンを直接増やすのではなく、脳にあるドーパミン受容体を刺激する薬剤の投与も有効な治療法です。

そのほかにもさまざまな薬が出ています。副作用も含めて、長所と短所がありますので、患者さんの症状、年齢、仕事をはじめとする生活スタイル、自宅の周りの生活環境などをふまえて、適切な選択が求められます。

川嶋乃里子氏

川嶋 - 診療ガイドラインでも勧められていますが、70歳未満の方はドーパミン受容体刺激剤、70歳以上の方はL-DOPAから使用し、それ以外の薬は必要に応じて適時追加していくケースが多いです。しかしながら、あくまでも個々の患者さんの症状や生活に合わせて調整していくテーラーメイドの治療が基本です。

川田純也氏

川田 - ドーパミンの補充療法や刺激療法によって、パーキンソン病の初期から中期の患者さんは症状をかなり改善できるようになりしまた。薬がとても効くのがパーキンソン病の特徴ですが、ある程度進行してくると、薬の効いている時間が短くなってきます。単に強い作用の薬を処方すれば良いのではなく、患者さんの症状はもちろん、生活環境やスタイル、年齢などを考慮して、いかに良い状態を保つか、そのための処方が求められます。

長谷川一子氏

長谷川 - 薬の種類がたくさんあり、その組み合わせはとても重要です。患者さんに合った薬を選択するのは、神経内科医の腕のみせどころでもあります。特に進行期における薬の処方は、良い状態と悪い状態との幅が大きくなるので、患者さんの負担をできるだけ小さく、副作用も小さな生活をできるような薬を選んでいく必要があります。また患者さんには薬の数が多くなっても不安を抱かないよう、きちんとした説明をすべきです。

高橋洋一氏

高橋 - 薬物療法のサポート的な手法として外科的手術も取り入れられています。脳深部刺激療法といって、視床下核に電極を入れて、弱い電気を流し刺激するものです。またリハビリテーションも効果的です。パーキンソン病が進行すると身体が傾いてきたり、姿勢を保持しにくくなることがありますが、背中の筋肉を強化したり、柔軟性を維持するリハビリテーションを行い、曲がっていた身体が元に戻ることがあります。リハビリテーションは治療上きわめて重要だと思われます。

主な治療薬

L-DOPA
脳内に不足しているドーパミンを補充し、運動障害の症状を改善します。
ドーパミン受容体刺激剤
脳内でドーパミンを受け取る部分を刺激して働きを改善します。
ドーパミン放出促進薬
ドーパミンの放出を促進。L-DOPAの働きをサポートする薬です。
ドーパミン代謝改善薬
ドーパミンを分解する酵素の働きを抑え、ドーパミンを長持ちさせます。
L-DOPA賦活薬
L-DOPAの作用を高めます。
ノルアドレナリン補充薬
病気の進行とともに減る、ノルアドレナリンを補充します。
抗コリン薬
アセチコリンという物質の働きを抑えドーパミンとのバランスを保ちます。