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Q&A

腰部脊柱管狭窄症に関するQ&A

腰部脊柱管狭窄症の検査・診断・治療について

椎間板ヘルニアなど、ほかの腰痛との症状の違いは何でしょうか?

背骨の老化現象によって起こる変形性脊椎症は、動き始めに痛みが強く出るのが特徴で、腰痛が主症状で足の症状はありません。足のしびれや痛みを伴うのは、椎間板ヘルニア腰部脊柱管狭窄症です。椎間板ヘルニアは、脊柱管内に飛び出した椎間板組織が症状の主因である場合で、どちらかというと若い人に起こりやすく、前にかがむと腰が痛みます。ヘルニア組織の大半は自然に縮小し、神経の圧迫が軽くなることが分かっています。腰部脊柱管狭窄症は高齢者に多く見られ、狭くなった脊柱管は自然に改善することはなく、ヘルニアと異なり前にかがむと痛みが改善するのが特徴です。

どんなタイミングで受診したらいいのですか?

腰の違和感が強くなり、腰痛が3週間も続くようなら、一度整形外科に行くことを勧めます。足のしびれなどの症状があれば腰部脊柱管狭窄症を疑います。特に、長く立っていたり、歩くのが辛い、20~30分が歩きにくくなったり、歩けなくなってきたら、早めに原因を調べてもらいましょう。安静にしていても痛い時、夜間も痛む時や夜間の頻尿、歩いている時の催尿感などの症状がある場合はすぐに整形外科を受診しましょう。

どんな検査が必要ですか。

腰部脊柱管狭窄症は、問診と身体所見、神経反射や知覚異常の有無、筋力などを調べることで診断がつきます。症状の現れる部位によって、どの神経が障害されているかも推測することができます。会陰部に異常感はないか、排尿・排便障害はないか、間欠跛行も診断の決め手になります。
そのうえで、確認のために画像検査を行います。レントゲン写真では骨の形を、CTでは水平断面上での骨の状態、MRIでは、椎間板や神経の状態を詳しくみることができます。もっと詳しく調べるときは造影剤を注入しての検査も行います。ただし、画像検査で異常が見つかっても、必ずしも症状があるとは限りません。
その他、下肢の血行障害との鑑別のための検査もよく行います。

病院で手術を勧められました。
手術はしたくないのですが手術以外にどんな治療法がありますか?
治療法は大きく分けて、保存療法と手術療法の2つがあり、重症の場合を除き保存療法から始めます。保存療法には薬物療法、理学療法、運動療法、神経ブロック療法があります。症状や患者さんが望む生活の質に合わせて治療法を選択する事になりますので、医師と十分相談して決めてください。

「薬物療法」
薬物療法: 〔腰部脊柱管狭窄症〕の検査・診断・治療 ・消炎鎮痛薬:痛み止めで、貼付薬、外用薬、内服薬などの種類があります。内服薬は長い間飲み続けると胃腸障害を引き起こすこともあります。
・筋弛緩薬:痛いと筋肉が反射的に収縮して凝った状態になり、それが長く続くと痛みも強くなります。筋弛緩薬はその筋肉の緊張を和らげるお薬です。
・ビタミンB12末梢の神経障害を改善するお薬です。
・プロスタグランジンE1製剤:神経に伴走する血管の血流を良くするお薬です。間欠跛行やしびれに効果があることが、証明されています。

「理学療法」
温熱療法: 〔腰部脊柱管狭窄症〕の検査・診断・治療 牽引(けんいん)療法(通院で行う電動式の間欠牽引、入院で行う持続牽引)と、マイクロ波などによる温熱療法(ホットパック療法)、血液循環をよくする超音波療法、筋肉のマッサージや体操療法などがあります。いずれも、腰痛が軽くなると感じることが多い治療法ですが、症状が悪化したり、改善しない場合は中止してください。

「運動療法」
腹筋や大殿筋(お尻の筋肉)など、体の表面の筋肉を鍛える運動と、腸腰筋などからだの中心に近い所の筋肉を鍛えるものとがあります。骨を支える筋肉を鍛えることで痛みを軽くする治療法です。最初は医師や理学療法士の指導の下で行う方が安全でしょう。

「神経ブロック療法」
神経ブロック療法: 〔腰部脊柱管狭窄症〕の検査・診断・治療 神経の痛む場所に局所麻酔薬を注入し、神経を麻痺させて痛みをとる方法です。脊柱管内の硬膜の外側に注入する硬膜外ブロックと神経根という神経に注入する神経根ブロックがあります。薬物療法で効果が得られない場合、痛みが強い場合などに実施します。(神経ブロック注射を打っても痛みが消えない場合は、原因が神経にないということになります。)治療だけでなく、診断の役割も果たします。神経根ブロックは、うつぶせになった状態でレントゲン透視を行い、部位と方向を確認しながら、腰椎から分岐する神経根に注射をします。
腰部脊柱管狭窄症の手術はどのような手術ですか?

狭くなった脊柱管を広げるには、手術しか方法はありませんが、症状がそれほどひどくなく、排尿障害が出ていなければあわてることはありません。
保存療法で一向に効果がない場合、痛みがひどい、歩行障害、麻痺が強くて日常生活や仕事に支障がある場合などには、医師と十分に相談をしたうえで手術を選択するといいでしょう。もちろんご本人が希望された場合に手術になります。
手術の方法は、椎弓を部分的に削ったり(開窓術)、場合によっては全部除去します(椎弓切除術)。そして神経を圧迫している骨や肥厚した靭帯を削り取って神経の圧迫をなくします。複数の腰椎にまたがって狭窄があり、椎弓をいくつも取り除かなくてはならない場合もあります。腰椎の安定が悪い場合は、本人の骨盤から採取した骨を腰椎に移植して金属で固定したり、チタン製インプラントで腰椎を補強することもあります(脊椎固定術)。
手術の結果は、手術で圧迫を取り除くことにより、障害されていた神経の働きが元通りの正常な状態に戻る力を持っていなければ、しびれなどの症状が残ってしまいます。さらに、手術をしても、年齢を重ねていくうちに再発する可能性もゼロではありません。
比較的若い人は、症状があまり進まないうちに手術をしたほうがいい場合もあります。手術も治療法の選択肢として、医師と十分に相談をして下さい。
狭窄している場所の数が少なければ、内視鏡で行うこともあります(MEL法)。手術時間は1ヵ所1時間くらい。脊柱管の狭窄が広範囲であったり、分離やすべりを伴う場合は、通常法で行うのが普通です。