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高血圧と腎臓の関係

多くの高血圧の原因は腎臓の調節機構の異常にあります

腎臓と高血圧はきわめて密接に関係しています。多くの高血圧の原因が、腎臓のナトリウムの調節機構の異常にあると考えられています。

腎臓の病気は高血圧を発症させ、また逆に、高血圧は腎臓病を悪化させる強力なリスク因子でもあります。高血圧患者さんの30%が腎障害を合併していると報告されています。

高血圧と腎障害が悪循環を作ります

体内で生じた老廃物は、血液によって腎臓に運ばれ、腎臓の中にある網目のような構造をもった糸球体で濾過されて、尿として体外に出ていきます。このような腎臓の濾過機能は、糸球体にかかる圧力(血圧)によって調節されています。

もともと腎炎などの腎臓病があると、血液を濾過する糸球体の網目が詰まってしまい、濾過機能が低下します。そのため、圧力をかけて何とか濾過しようとするために高血圧になります。

また、もともと腎臓病がなくても高血圧が長く続くと、糸球体の細い動脈に動脈硬化(糸球体硬化)が起こり濾過機能が低下します。このように高血圧と腎臓病は互いに悪循環をつくり出します。

負のスパイラル

慢性腎臓病(CKD)という新しい考え方

腎臓の病気にはさまざまな種類がありますが、その原疾患にかかわらず、腎機能の低下が続いている危険な状態を警告しようという考え方から、慢性腎臓病(CKD)という概念が導入されました。

慢性腎臓病とは、「タンパク尿が出ているなど腎臓の障害を示す所見がある」、あるいは「腎臓の働きが健康な人の60%以下に低下した状態が3カ月以上継続している」、そのどちらか、あるいは両方に該当する場合を指します。

腎臓の働きをGFR(糸球体濾過量)※という指標で測定し、病気の進行度をステージ1からステージ5まで、5段階に分類しています。ステージ1はタンパク尿が出ているだけの初期の腎機能障害の段階です。ステージ3は、腎臓の濾過機能が正常の30~59%に低下して、老廃物を十分に排泄できなくなった状態です。心血管疾患が発生する危険性も高まっています。専門医による精密検査と適切な治療が必要です。ステージ5は末期腎不全で透析が必要となる最も重症な段階を表します。

※GFR(糸球体濾過量)とは

単位時間当たりに腎臓の糸球体により血漿が濾過される量のことを、GFR(糸球体濾過量)といいます。このGFRにより、腎機能の健常度がわかります。血清クレアチニン値をもとに糸球体濾過量を推定した「推算GFR(eGFR)」が一般に用いられます。

健康な人では、GFRは100㎖/分/1.73㎡前後です。60㎖/分/1.73㎡未満が持続していれば、腎機能の低下は明らかであり、慢性腎臓病と診断されます。末期慢性腎不全・透析の段階では、GFRは15㎖/分/1.73㎡未満まで低下してしまいます。

血清クレアチニン値、性別、年齢によってGFRを簡単に調べることができます。

ご自分の、またご家族のGFR値を知って、健康維持に役立てましょう。

ハイリスク群

歳をとると腎機能は低下するので、高齢者に慢性腎臓病が多くなります。高血圧、糖尿病、コレステロールや中性脂肪が高い、肥満やメタボリックシンドロームがある、家族に腎臓病の人がいる、などの場合は要注意でハイリスク群とみなされます。腎機能が低下する前から、高血圧や糖尿病などの適確な治療を行い、慢性腎臓病の発症予防に努めることが重要です。

CKDのステージ分類

CKDのステージ分類

慢性腎臓病(CKD)に関する詳しい説明は日本慢性腎臓病対策協議会(J-CKDI)こちらのサイト外部リンクをご参照ください。

腎臓を守ることは、心臓や脳を守ること

慢性腎臓病は、心筋梗塞や脳卒中などの重大な危険因子になっています。つまり、腎臓を守ることは、心臓や脳を守ることにもつながります。慢性腎臓病患者さんは末期腎不全で亡くなるよりも、心血管疾患で死亡する率が高いと報告されています。

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