大日本住友製薬
Innovation today, healthier tomorrows

高血圧一問一答 ~よくある質問に答えます~

血圧はどこまで下げればいいですか?

血圧をどこまで下げればいいか、つまり降圧の目標値というのは、家庭で測定する血圧(家庭血圧)と診察室で測る血圧(診察室血圧)とで異なります。現在の高血圧診療においては、家庭血圧のほうが重視されていますので、家庭血圧の目標値を中心に説明します。

日本高血圧学会の「高血圧治療ガイドライン2014」では、若年・中年・前期高齢者の方の一般的な降圧目標は収縮期血圧(上の血圧)が135mmHg、拡張期血圧(下の血圧)が85mmHg未満(135/85mmHg)とされています。ただし、この降圧目標値は患者さんの病態や年齢によって若干異なります。たとえば糖尿病を合併している患者さん、あるいは慢性腎臓病(CKD)があり、蛋白尿が陽性の患者さんでは125/75mmHg未満と、より低く設定されています。一方、脳卒中などの脳血管障害や冠動脈疾患の既往歴のある患者さんでは135/85mmHg、また後期高齢者の場合は、病態にかかわらず145/85mmHg未満と若干高く設定されています。高血圧によって心臓・腎臓・脳などに悪影響が出ることを考慮すると血圧は低いほうがよいのですが、後期高齢者では低血圧による立ちくらみなどでの転倒リスクがあるため、145/85mmHg前後が最善の値だと思います。また、近年では血圧を下げ過ぎることによる腎不全のリスクも言われています。目標値表示の“未満”という言葉にとらわれると、いくらでも下げてもいいと考えてしまうかもしれませんが、そうではありません。個々の病態、年齢に合わせた設定が大切です。

なお、家庭血圧を測定していない患者さんの場合は、診察室血圧を測定し、収縮期血圧・拡張期血圧ともに家庭血圧よりも5mmHg高い値を降圧目標値とします。

降圧治療については、ただちに降圧が必要と思われる血圧が非常に高い患者さんには、最初から薬物治療を開始しますが、それ以外の患者さんではまずは生活習慣の改善を指導します。食生活の改善(減塩など)、体重の管理(減量)、運動で10~30mmHg程度の降圧が期待できるとされています。

高血圧治療に取り組む患者さんへのメッセージ

高血圧は症状のない病気ですが、放置しておくと心筋梗塞や脳卒中、腎臓病のリスクが高くなります。高齢化とともに高血圧から腎硬化症という腎疾患になる人も増加傾向にあります。人工透析にならないためにも早い段階からの血圧コントロールが大切です。生活習慣を改善すれば、薬物治療をやめられたり、服用する降圧薬を減らしたりすることは可能です。高血圧治療をうまく行かせるためには患者さん自身による積極的な取り組みが必須です。一緒に頑張って治療を続けていきましょう。

ドクターの紹介

医療機関名称 東京医科大学八王子医療センター 腎臓内科
住所 東京都八王子市館町1163番地
電話番号 042-665-5611
医師名 助教 冨安 朋宏(とみやす ともひろ)先生

※ 掲載情報は取材当時の内容となりますので予めご了承ください。

次へ

前へ