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高血圧一問一答 ~よくある質問に答えます~

いびきがすごいと言われますが、高血圧が影響しているのでしょうか?

高血圧の影響ですごいいびきをかくのではなく、いびきが高血圧の原因になっていると考える方が自然です。いびきは、気道が閉塞されて(狭くなって)スムーズな呼吸ができなくなっている状態です。飲酒や睡眠薬の使用や過度な疲労によっていびきが引き起こされる場合もありますが、いつもいびきがひどいと言われるような方は、肥満やアデノイド(扁桃腺)の腫大、舌根の沈下などによって気道が閉塞されていることが少なくありません。いびきをかいている最中は十分な呼吸ができておらず、一時的に呼吸が完全に止まって無呼吸の状態になっていることもあります。この状態は、睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome:SAS)と呼ばれています。SASになると、睡眠中に「息こらえ」をしているような状態なので、低酸素状態に陥ります。眠っていても実際には十分な休息が取れず、交換神経が刺激されるために心臓や血管や脳に絶えず過度なストレスがかかり、その結果の一つとして高血圧になりやすいと考えられています。また、通常では夜間には交感神経が抑制されるため、心血管にかかるストレスは小さくなり、夜間の血圧は日中に比べて低くなることが多いのですが、SASでは夜間に交感神経が刺激されるため、夜間の血圧が上がりやすくなります。高血圧症のなかでも夜間に血圧が高い人はそうでない人と比べて、心血管イベント(心筋梗塞や脳卒中)が4~8倍起こりやすいという報告もあります。つまりSASは高血圧を引き起こすだけではなく、さらに危険な状態を引き起こしてしまいます。

いびきの訴えの強い患者さんが来られた場合、ご家族の人に患者さんのいびきの状態を観察してもらったり、睡眠中の酸素飽和度を測る検査を家庭でしてもらったりすることがあります。SASかどうかをはっきりと診断するにはポリソムノグラフィー(PSG)検査のできる施設で検査を受けてもらう必要があります。SASと診断されれば、治療を行いますが、その程度により治療法が異なります。軽症の場合は減量やマウスピースなどの治療で改善することもありますが、中等症以上の場合は持続陽圧呼吸療法(CPAP)の適応となります。CPAPを行うと、気道の閉塞が改善され、低酸素状態が改善されるため、交感神経の異常な興奮が治まり、心臓や血管にかかるストレスも軽減し、血圧も改善されます。

高血圧の治療に用いることができる薬剤は数多くありますが、いびきの訴えが強い人もそうでない人も服用することは可能です。

しかし、高血圧の治療は、いびきが強ければSASの存在も考えて、そのために上乗せされる交感神経のストレスも考慮して、その患者さんの病状にあった治療法を選択することが大切です。

いびきを訴える患者さんは中年の男性に多いという印象があります。しかし、女性はいびきの問題を医療機関に相談しないだけかもしれませんので、隠れた女性患者さんがいる可能性を否定することはできません。

高血圧治療に取り組む患者さんへのメッセージ

高血圧はサイレントキラーと言われ、症状がほとんどありません。よって、『症状もないのになぜこのような降圧薬を飲まなければいけないのですか?』とおっしゃる患者さんがたくさんいらっしゃいます。しかし、高血圧が心血管イベント(心筋梗塞や脳卒中)の危険因子であるという研究は数え切れないほどあり、血圧を持続的に2 mmHg下げるだけでも心血管イベントを予防する効果があるという結果が出ています。

高血圧治療の意味を今一度理解し、治療に臨んでいただきたいと思います。

ドクターの紹介

医療機関名称 おがたファミリークリニック 一般内科・循環器内科・糖尿病内科
住所 愛知県名古屋市守山区緑ヶ丘107
電話番号 052-768-6093
医師名 院長 緒方 正樹(おがた まさき)先生

※ 掲載情報は取材当時の内容となりますので予めご了承ください。

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