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高血圧一問一答 ~よくある質問に答えます~

糖尿病があると、なぜ血圧管理がより重要となるのでしょうか?

高血圧に加えて糖尿病がある場合、血圧の管理がより重要となるのには2つの大きな理由があります。

1つ目は、糖尿病の合併症である“細小血管障害”の発症や進行を抑えるためです。細小血管障害とは、血糖値が高い状態が続くことで細い血管が傷つき、毛細血管が集まる網膜・腎臓・神経組織が障害されることで起こる病気です。糖尿病の三大合併症と言われる、糖尿病性腎症・糖尿病性網膜症・糖尿病性神経障害がこの細小血管障害の代表的なものです。これらの三大合併症のうち、糖尿病性腎症は発症した初めの頃は血糖の影響が大きいのですが、進行するにしたがって血圧の影響の方が大きくなることがわかっています。このため、蛋白尿が検出されるほど腎症が進んでいる糖尿病患者さんでは、腎症の進行を遅らせるために血圧の管理がとても重要になってくるのです。

2つ目の理由は、“大血管障害”を予防するためです。大血管障害とは、太くて大きな血管で動脈硬化が進行し、それが原因で引き起こされる心筋梗塞・脳梗塞・閉塞性動脈硬化症などを指します。糖尿病と高血圧はいずれも動脈硬化の進行を促進させますが、糖尿病と高血圧の両方があるとこの大血管障害の起こる危険性がさらに高まることが知られています。このため、動脈硬化の進行をくいとめ、大血管障害を予防するには血糖管理だけでは十分ではなく、血圧管理も重要なのです。

糖尿病を合併する高血圧患者さんの降圧目標値は、診察室での血圧が130mmHg/80mmHg未満、家庭での血圧が125mmHg/75mmHg未満です。これは、糖尿病や腎臓病のない高血圧患者さんの降圧目標値である140/90mmHg未満よりも厳しい値です。その理由は、これまでに実施された臨床試験の結果から、糖尿病患者さんでは130/80mmHg未満に血圧を低下させないと大血管障害が起こる危険性が高くなることが分かっているためです。糖尿病患者さんで高血圧もある場合、少しずつでもよいので130mmHg/80mmHg未満に近づくよう血圧管理にも気を配りましょう。

高血圧治療に取り組む患者さんへのメッセージ

糖尿病と高血圧を合併した患者さんの場合、糖尿病と高血圧の両方の治療について考えないといけないのは大変なことだと思います。しかし、これまでどおりの生活を今後も続けていくためには、血糖だけでなく血圧にも注意することが必要です。高血圧の方は、毎日の食事で塩分摂取を控えるよう意識するなど、できることからでよいので、良好な血圧管理に向けた取り組みを始めていただければと思います。

ドクターの紹介

医療機関名称 相模原赤十字病院 内科
住所 神奈川県相模原市緑区中野256
電話番号 042-784-1101
医師名 内科部長 伊藤 俊(いとう しゅん)先生

※ 掲載情報は取材当時の内容となりますので予めご了承ください。

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