大日本住友製薬
Innovation today, healthier tomorrows

第7回 認知障害

用語解説

認知症
痴呆症にかわる用語。脳や体の病気が原因で記憶や認識、判断、学習といった知的機能が低下し、自立した生活に支障が生じる状態。原因となる病気には、主にアルツハイマー病や脳梗塞などの脳血管障害などがある。
脳血管性認知症
脳梗塞や脳出血などの脳血管障害が原因で起こる認知症。アルツハイマー病がゆっくりなだらかに症状が進行するのに対し、脳梗塞や脳出血の発作を繰り返すことで段階的に進行していく。
アルツハイマー型認知症
原因はまだはっきりわかっていないが、脳で異常なたんぱくがつくられ、「老人斑」というしみが広がり、脳が萎縮する病気。
動脈硬化
動脈の内側の壁に脂肪やコレステロールがたまり、血管が狭くなったり、もろくなったりする現象。血流が悪くなり、血管がつまると心筋梗塞や脳梗塞などを起こす。
脳血管イベント
脳梗塞や脳出血など脳の血管の病気が発生すること。またそれによって死亡すること。
食後高血糖
食事により引き起こされる高血糖状態。通常、健康な人では、食事開始2時間後食後2時間の血糖値が140mg/dL以上を超えることはないと考えられている。高血糖状態の場合、心筋梗塞や脳梗塞を発症する危険が高くなることがわかっている。
高インスリン血症
血液の中のインスリンの量が多い状態。インスリンが出ていても効きが悪い「インスリン抵抗性」と、膵臓からのインスリンの分泌量が増えることが原因で生じる。脂質異常症や高血圧とも関係し、動脈硬化を進行させると考えられている。
低血糖
血糖値が正常範囲を超えて下がりすぎた状態。発汗、不安、動悸、頻脈、手の振るえなどが起こり、対処が遅れると意識がなくなり昏睡におちいることもあり、十分に注意が必要。薬の種類や量を間違えたり、食事が遅れたりすることでも起こる。低血糖を感じたら、直ちにブドウ糖やブドウ糖を含む飲み物や食べ物を摂る必要がある。薬の種類によっては、砂糖でも良い。

糖尿病の合併症 ~その予防のために~ 第7回 認知障害

日本医科大学 老年内科 教授 大庭建三 先生

認知症は、高齢の糖尿病患者さんでは糖尿病の人に比べて2~3倍多く、糖尿病の合併症の1つと考えられます。

認知症には脳血管性認知症とアルツハイマー型認知症がありますが、そのいずれも高齢の糖尿病患者さんでは糖尿病でない人に比べて2~3倍多いことがわかっています。そのことから認知症は糖尿病の合併症の1つと考えられます。

脳血管性認知症の原因となる脳血管障害を予防するためには、食後高血糖を改善することが重要です。また、アルツハイマー型認知症には血中のインスリン濃度が高まる「高インスリン血症」が関係していると考えられています。そのためアルツハイマー型認知症を予防するためにはインスリンを過剰に分泌させないことが重要です。

最近では重症の低血糖発作が起こると、将来、認知症が発症する危険が高まることが報告されており、高齢の糖尿病の患者さんでは特に低血糖発作を起こさないことが大切です。

動画一覧